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ダムを訪ねて!えてやんのホームページ

2004.10.05 UP

NO.0031


169 「滝沢ダム」



画像が切り替わります
  • 踏破日・・・・・2004.09.18(土)
  • 場所 ・・・・・・埼玉県秩父郡大滝村大字大滝
  • ダム形式・・・G(重力式コンクリート)
  • 堤高 ・・・・・・140.0M (*第16位) 【堤頂長:440.0M】
  • 最大貯水量・63.000千m3(*第72位)
  • 目的 ・・・・・・[F・N(P)・W] ※1
  • 竣工年度・・・2007年(予定)
    ※1 F:洪水調節 N:河川維持(発電用) W:水道用 

    {ダム年鑑1999年版による}

    ※ダム名の前にあるNOは、踏破したダムの順番を表し一覧にリンクしています(3200番目はいつ・・・)


    工事管理棟横から冷却中の堤体を
    3基の固定式ケーブルクレーン”1号機稼働中”
    堤体サイドに造られたモノレール式循環バケット設備
    ひとこと:

    【たきざわダム】このダムは、埼玉と山梨・長野・三県の県境近く甲武信岳を源にする中津川に水資源機構が建設中の、大型多目的重力式コンクリートダム。踏破日、堤体のコンクリートの打設は最盛期を過ぎて、ほぼ最終段階に近く10月に入ると、大型設備の撤去が始まるとの事。(担当者説明)
    同時に堤体の最終工事、常用洪水吐2門・非常用3門のゲート関係等、天端の諸設備の仕上げ作業に取り掛かって行くようです。
    このダムの特長は建設方式にあるようです。今までに造られてきたダムの集大成として、RCD工法ELCM工法を組み合わせた工法。多種類のコンクリートを指示選択し、それらを運搬するモノレール式循環バケットと、固定式ケーブルクレーンを総合的にコントロールする「コンクリート出荷制御システム」等、効率最優先で造られている最新鋭のダムである。いずれこの工法がスタンダードになるかも・・・。ダム裏側(湖面側)には直線多段式の選択取水口と洪水吐け口は完成しており、フラットな壁面のアクセントになっていた。堤体の表面が茶褐色に変色しているのは、急激な乾燥によるひび割れ防止と、水和熱の冷却を兼ねて全面に冷却水を流しており、その反応色(?)で着色されているのだろうか。なおこの冷却水は環境に配慮して、ダム下ループ橋脇に造られた浄化プラントに集められ、浄化されて循環使用されている。
    ダムの完成は2007年になっており、発電所の建設やダム湖面に接する法面の工事、対岸の取り付け道路やダムサイトの付帯施設の工事等、当分ドライ状態のダムが拝見できる。それらの工事が終われば「浦山ダム」に次ぐ、埼玉県で2番目に高いダムとなり、真っ白に洗浄された堤体がループ橋(大滝大橋)越に奥秩父の山並みを背にした雄姿が目に浮かぶ。
    撮影はインフォ・センターの駐車場でダム湖側が狙えますが、アングルは限られます。正面の撮影はダム下(ループ橋下)が最高ですが、工事に関係の無い者は立入禁止ですので、ループ橋中央にある小公園(トイレ・駐車場あり)を利用して、ここから車道の横に造られた狭い歩道を歩いて、車(スピードを出している・・・)に注意しながら、ダム正面と向き合う場所を探してください。

    「おまけ」 メイン画像の切り替わった画像(ダム湖側)左端中央に、赤白の表示板が見えると思いますが、このラインが常時満水EL.565メートルの位置です。
    *RCD工法・ELCM工法・水和熱については日本ダム協会のホームページにアクセスして、ダム便覧2004→知識を深める→用語解説と進んで下さい。あるいは熊谷組のホームページにアクセスしてWebサイト→土木→ダム→土木の世界を探検→コンクリート打設工法と進んで下さい。

    アクセス方法:

    中央自動車道を勝沼ICで下り、甲府方面に20号線バイパスを進行するとキロ弱で南野呂千米寺交差点に、ここを右折して広域農道を道なりに進むと約1.9キロ程で旧20号線の等々力交差点に、この信号を直進して国道411号線に入り4.7キロでJR塩山駅前に着く。ここから県道38号線に進路を変更するが少々複雑ですので、案内板に注意して恵林寺を目標にして下さい。3.7キロで武田信玄の菩提寺”恵林寺”前三叉路に、ここを右折して国道140号線に入ると後は一本道でドライブが楽しめる。恵林寺から13キロ程走ると左側に広瀬ダムがある。ダムから2.5キロ程でこの国道の売り、有料(普通車710円)の”雁坂トンネル(全長6.6キロ)”のゲートに着く。ここまで緩やかな登りの快適な道路ですが、トンネルを越えダムサイトのインフォ・センターまで、残り15キロ強の半分は道幅も狭く下り勾配も強いので、安全運転を・・・道路右側にインフォメーションセンターがあり、駐車可能の台数は15〜6台です。この国道は「道の駅」が充実しており、休憩・用足しには非常に便利である。
    帰路は140号線を道なりに進むと、50キロ強で関越自動車道・花園ICにたどり着く。途中寄り道すれが、二瀬ダム・浦山ダム・少し離れているが合角ダムもチュック出来る。コースを変えて秩父より国道299号線に入って正丸トンネル越え飯能経由で・・・または正丸トンネル手前を右折して、山伏峠越え広瀬ダムをチェックして成木街道から青梅経由で・・・ドライブを楽しめる帰路が選べます。

     


    あとがき:  滝沢ダムが立ち上がった!そんな声が聞こえてきたので、独立行政法人・水資源機構(堅い名称ですね!)がメインとなって開いている滝沢ダムインフォメーション・センター(0494-53-2027)に見学の予約を入れ、三連休の初日に行って来ました。混雑を覚悟して早めに出掛けましたが、渋滞もなく快適なドライブが出来たお陰で、新参のダムの評価が大きく上がりました。
    見学者も予想に反して当方一人、恐縮しながらお世話になったセンターの新井さんと、マンツーマンで説明をして頂いた高野さんに心からお礼を申し上げます。現場に入って見学!・・・と云う事で乱雑な足場を想像したのですが、見学者用のコース以外も整理整頓が行き届いており、安全面には必要以上に配慮されている様子が伺えました・・・見学中に時々大きな音で音楽が流れてきましたが、クレーンの動きと連動して鳴らし作業員に注意を促している様でした。30分間と云う短い時間でしたが、最近のダム建設現場を知るいいチャンスでした。次回は何処のダムへ脚を伸ばそうか・・・思案中です。

    写真は、ダム下の新名所ループ橋の入口と出口を・・・間にあるグリーンのタンク群が冷却水浄化プラント。