コンクリートダムの打設工法は、以下の4分類によっている。
■柱状工法
隣接する区画との間に高低差をつけ、鋸歯状に打ち上げていく工法。
《ブロック工法》
縦継目、横継目(注1)の両方を設ける工法。
《レヤ工法》
横継目のみ設ける工法。縦継目無し。
■面状工法
堤体全体について大きな高低差をつけることなく、平面状に打ち上げていく工法。
《拡張レヤ工法(ELCM)》
通常のダムコンクリートで2区画以上を同時に打設する方法。縦継目無し。
《RCD工法》
RCDコンクリートを用いて2区画以上を同時に打設する工法。縦継目無し。
(注1)縦継目、横継目
コンクリートは水とセメントとの水和反応によって硬化する。水和反応が進行する際には発熱を伴い、この熱によりコンクリートは膨張する。また、水和反応が終われば、周辺の温度に近づいていく。この時に一旦膨張したコンクリートが収縮することになる。この収縮がクラック(ひび割れ)の原因となる。
クラックを防ぐために、人為的に不連続面を作る必要があるが、これを収縮継ぎ目と呼び、ダム軸方向に平行なものを縦継目、ダム軸方向に直交するものを横継目と呼ぶ。縦継目はダムによっては無いものもある。
(注2)
RCD工法を用いているダムにおいても、幅の狭くなる上部においては、柱状工法や拡張レヤ工法に切り替えることがある。
(注3)区画
縦横の収縮継目によって区切られた範囲。 |