第16回 入選 kazu_ma 「雲集霧散」 (山形県・月山ダム)
[選評] <選評・宮島 咲> この作品はどういう意図で「力」を表現しているのか悩みました。作者のコメントを拝見してみますと、放流水のぶつかり合う力と、ぶつかり合って散ってゆくさまを表現しているとのことでした。力という表現は、どちらかというと強さを表わしがちですが、この作品は、強さと弱さの両方を見事に表現しています。少量ではほとんど力を持たない水分子が無数に集まり、大量の水となって大きな力を生み出す。ミクロからマクロへの世界観を表現している作品だと感じました。
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第16回 入選 kazu_ma 「雪のキャンバス」 (山形県・月山ダム)
[選評] <選評・萩原 雅紀> 情けない話ですが雪道の運転が不安なので、雪に埋もれたダムの写真を撮っている時点でリスペクトしてしまうのです(過去を見返しても僕は雪ダム写真に甘い)が、雪深い山形の、しかも夜間なんて考えただけで僕には無理、な作品です。そして、月山ダムと言えば堤体の美しい紋様が特徴ですが、それが綺麗に雪化粧している…のではなく、むしろ積もった雪が崩れたり張りついたりして隠されている。でもそれが気候の厳しさを物語っていて、一周回って美しさを醸し出しているのでは、と思いました。個人的には、思い切って雪の模様にもっと寄るか、もう少し左に振った方がバランス的に好みです。
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第20回 優秀賞 HAMTIY 「天の川と共に」 (山形県・月山ダム)
[選評] <選評・西山芳一> ブルーにライトアップされたダム、天空を跨ぐアーチ橋、天の川、そのすべての位置やタイミングが周到に計算され尽くした作品です。何度も現地の下見をされ、星景写真もかなり撮られている方だと思われます。一期一会で出会った写真も良いのですが、このような写真も充分に見応えがありますね。次回作も期待しております。
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第20回 入選 ハル 「back to the Gassan」 (山形県・月山ダム)
[選評] <選評・八馬 智> 赤い光で浮かび上がるダム堤体と、おどろおどろしい雲が対比的に捉えられ、そこにシャープで動的な車両による光のラインが添えられて、とても強烈な印象を与えるものとなっています。赤は危険や警告を示す色であるだけに、未知の異常事態を暗示するかのごとく、見る者に何かを伝えようとしているようにも思えます。色彩の強調も見事ですが、動と静の対比が写真の強度を最大限に引き出しています。
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