D-shot contest 入賞作品
- 滝沢ダム -




第10回 入選  福田功 「ビショビショ」 (埼玉県・滝沢ダム)

[選評] <選評・窪田 陽一>
放流される膨大な水量と頼り無げな吊橋の上から眺める人々の対比が、画面を左右に振り分けるような明暗を伴ってとらえられています。ずぶぬれになりながら激流と対面する人々の姿と、轟音と水しぶきを上げる放流水の力動感の、両方を一つの視野にとらえることは難しい場所なのでしょうが、もう少し橋に近寄って人物を大き目にとらえることはできなかったか、気になる点ではあります。




第17回 入選  太田正実 「流木に向かう」 (埼玉県・滝沢ダム)

[選評] <選評・西山 芳一>
上下が単純化された三分割の構図の中に陸部と木々の反射、そしてボートと生み出す波紋とが絶妙に配置されています。夜間、堤体からの照明での撮影でしょうか。すべてが片側のみの低いライティングを受けることで、ボートは動いているにも関わらず時間が止まったような不思議な空間を生み出しています。




第18回 優秀賞  太田正実 「ススキと滝沢ダム」 (埼玉県・滝沢ダム)

[選評] <選評・宮島 咲>
太陽とススキとダム。これらだけに光が当たって、その他の部分は闇に包まれています。太陽光の下、ご自身のテクニックで、見せたいものだけに光を当てた作品に心を惹かれました。同じ一つの太陽光で、ダムコンクリートの固さと、それとは正反対の、ススキの柔らかさが同時に表現されているところが素晴らしいです。色彩的に地味な作品ですが、それが逆に想像力を掻き立て、固さと柔らかさ感じ取らせるのでしょうか。