D-shot contest 入賞作品
- 黒部ダム -




第9回 入選  山口勲 「黒部の太陽」 (富山県・黒部ダム)

[選評]  同名の映画の「太陽」はダムに通ずるトンネルを掘り貫く屈強な人達やその貫通への希望を暗に表しているのでしょうが、この作品の「太陽」は厚い雲に遮られ非常に弱々しくみえます。しかし、沸き立つ暗雲、堤体を越えようとする放水の水しぶき、そして時を感じさせるダム面が妙な不安感を与え、嵐の前のような雰囲気さえ感じるドラマチックな作品に仕上がっています。




第10回 優秀賞  かみさと 「黒部と月と人々」 (富山県・黒部ダム)

[選評] <選評・窪田 陽一>
ダム本体やダム湖が視野に入らない、ダムを見ている人々を背後から見る、という視点の位置からの眺めを、煌々と夜空に輝く月を真正面に据えてとらえた、ある意味では意表を突いた作品です。その場所で人々はどのような夜景を眺めているのか、という想像を掻き立てる。被写体はこういうところにもある、という好例です。




第11回 入選  清水篤 「聖地巡礼」 (富山県・黒部ダム)

[選評] <選評・中川 ちひろ>
 切り取り方がとてもユニークです。人物が主題になっているのもよく伝わり、部門のテーマにも合っていますね。写真のポイントのひとつとして、「影」の存在があると思いますが、 この場合は、階段の下に影がないとより平面的で不思議な写真になったような気がします。次回は、太陽が真上にある時間帯で、ぜひ撮ってみてください。きっと、より主題が明確な写真になると思います。




第18回 入選  中村直人 「the border」 (富山県・黒部ダム)

[選評] <選評・萩原 雅紀>
この横長の構図が規格なのか、意図的なものか分かりませんが、天端の道路が左下の角から右上の角に収まっていて、全体のバランスがかなり計算されたものだと感じました。強いコントラストがとてもクールで印象的です。「the border」には境界とか縁(ふち)とか縁(へり)といったような意味があるそうですが、この作品からもさまざまな「the border」を読み取ることができ、作品に奥行きを持たせていると感じました。