ダム事典[用語・解説](洪水吐)


洪水吐 (こうずいばき)
 洪水の流入に対し、ダムと貯水池の安全を確保するために設けられた放流設備の総称。河川管理施設等構造令では、ダムには洪水吐を設けることになっています。洪水吐は上流から、流入部、導流部減勢工に区分されます。洪水調節を目的とするダムでは、常用洪水吐と非常用洪水吐を持つものが多いようです。
 なお、洪水調節用のダムでは洪水吐と呼びますが、発電用ダムなどでは余水吐と呼んでいます。

■常用洪水吐
 洪水調節に用いる洪水吐。常用と非常用の2種類の洪水吐を持つダムの場合の言葉で、通常はこちらの洪水吐を用いて洪水調節を行います。

■非常用洪水吐
 常用洪水吐に対する言葉で、ダムの設計洪水流量のうち、常用洪水吐の放流量を上回る部分を放流する洪水吐をいいます。一般に越流式の放流設備により構成されます。