ダム事典[用語・解説](グラウチング)


グラウチング (ぐらうちんぐ)
 一般に、セメントミルクモルタルを空隙などに充填することを言います。グラウトということもあるようです。ダム建設では、基礎地盤の改良などのため、セメントミルクを用いてグラウチングが行われます。

■カーテングラウチング
 ダムの基礎岩盤にカーテン状にグラウチングすることによってグラウトカーテンを形成することです。これによって、遮水性を高め、貯水池からの漏水を防ぎます。通常ダムの直下や両翼部で行われます。
 カーテングラウチングのうち、ダム堤体敷きの外側の部分をリムグラウチングと呼びます。堤体や取り付け道路の上から扇状に施工することもありますが、範囲が広いときはリムトンネルと呼ばれるトンネルを掘ってその中から施工します。

■コンソリデーショングラウチング
 コンクリートダムの基礎岩盤について、地表からおおむね5〜10mの比較的浅い範囲を対象に行われるグラウチングです。基礎岩盤の強度や変形性を改良することが主な目的ですが、遮水性の改良にもなります。

■ブランケットグラウチング
 フィルダム遮水ゾーンと基礎岩盤との連結部分で実施するグラウチングです。岩盤内の割れ目にセメントミルクを注入するなどして、遮水性を高めます。