水資源開発公団は,10月30日,淀川水系木津
川で建設中の比奈知ダムに 約 500名の関係者
を招き「比奈知ダム竣功式」を挙行した。 竣功式では, ダムサイト左岸で湖名碑除幕が 行われたあと,右岸の特設テント内で式典を開 催。まず,近藤徹水資源開発公団総裁が,事業 の実施にあたり水没関係者や関係機関に感謝の 意を述べたあと, 「今後とも地域に愛される比奈知ダムをモッ トーとして,その管理に万全を期しますととも に,引き続き淀川水系における水資源開発施設 の建設事業推進と完成施設の良好な管理に鋭意 努めてまいります」とあいさつ。 続いて,事業経過報告,祝辞のあと,地元関 係者等に感謝状が贈呈され,無事,式典を終了 した。 引き続き会場を名張市総合体育館に移して開 催された祝賀会では,井上克彦水資源開発公団 関西支社長があいさつしたあと,関係者等によ る鏡開きが行われた。 |
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比奈知ダムは淀川水系木津川支川名張川の三 重県名張市上比奈知に位置する多目的ダムで, 諸元は,堤高70.5m,堤頂長 355m,堤体積約 43万立方mの重力式コンクリートダム。 総貯水容量2080万立方mをもって, 既設のダ ム群(高山,青蓮寺,室生,布目)とあわせ, 名張川流域や木津川・淀川流域の洪水を防御す るほか,流水の正常な機能の維持と増進を図る 。また,都市用水として急激な人口増加で水需 要が膨らんでいる名張市,京都府,奈良市に対 し最大毎秒 1.5立方mの取水を可能とする。さ らに,三重県が新設する比奈知発電所で最大出 力1 800Kw の発電を行う。 事業は, 昭和43年度から建設省が予備調査を 開始。昭和47年9月に公団事業としての実施が 決定され,昭和57年3月に建設大臣から事業実 施計画の認可を受けた。水没移転家屋は20戸。 総事業費約 973億円をもって, 平成11年3月 に事業を完了する。 |