ホタルの幼虫や魚の住み易い川底や護岸を作り、
ダムから適度の水を流してホタルの飛び交う
河川ができました。
●目的・動機 山口県の一の坂川は、昭和40年度より30年に1回程度生じる可能性のある洪水に対しても、 安全であるように改修を進めてきました。しかし、その後の台風・集中豪雨による洪水の 発生状況から、より安全な川とするため改修の計画を見直しました。
写真-1 一の坂川 美しい自然環境に包まれた一の坂川の川沿い風景 |
●具体的な方策 一の坂川沿いには、桜並木や古い街並がたくさんあるので、 川を広げたり、深く掘り下げることができません。 そこで、一の坂川がもたらす美しい自然環境を守るため、 上流に一の坂ダムを造り、日照り続きの時にも源氏ボタル たちが生息できるように適度の水をダムから流すとともに、 ホタルや川魚がすみやすいようにホタル護岸を造りました。 ① ホタルは幼虫期に水中で生活しますが、川の流れの速 いところではすめないので、木杭や石などによりよど みをつくりました。 ② ハヤ、ドジョウなどの川魚がすむために必要な水深を 確保するため、木杭や石などにより水の流れる幅を狭 くしています。また、日照り続きの時には、一の坂ダ ムから適度に水を流しています。 ③ 川底の石の隙間にはセリ、ヨモギなどが生え、ホタル や他の昆虫などのねぐらになっています。また、川の 両岸には、桜並木のほかに柳、さつきが植えられ緑に あふれた景色を造っています。 |
●波及効果 ホタルは、護岸を造るときに一時的に減少したため、 沿川の住民と一緒になりホタルの幼虫やホタルのエサ となるカワニナを放流したところ、以前にも増してホ タルが増えました。 現在、一の坂川は、上流に建設された一の坂ダムによ り、生息するホタルをはじめ、美しい自然や景観が守 られ、四季を通じて多くの人々に親しまれています。 |
写真-2 ホタル護岸 ホタルや川魚がすみやすいホタル護岸の状況 |