第2回(財)日本ダム協会ホームページ写真コンテストは、昨年12月中旬より募集を開始し、総数131点の応募があった。 全般的に、昨年にも増してレベルアップしていると感じた。また、構図やテーマに凝った作品も昨年より増えたようである。 被写体は、昨年と同様ダム堤体そのものが多く、次にダム湖、そして洪水吐き、取水塔、周辺関連施設などであった。今年の特徴としては、「夜景・夕景」、「放流」の写真が昨年より多く、入賞作にも反映している。 審査は、1次選考(4月13日・於:日本ダム協会会議室)、2次選考(4月22日・於:銀座ラフィナート・桐の間)の2段階で、A4版にプリントしたものを対象に、協会ホームページ関係者によって行われ、最優秀賞1点、優秀賞2点、入選8点を選んだ。 最優秀賞 1点 「白水堰堤」 構図の良さ、越流する水の流れの美しさ、堤体を取り囲む緑と桜、苔むした石積み、これらがうまくまとまっているところが評価された。 残念ながら若干天気が悪かったようで、天候の幸運に恵まれればさらにすばらしい写真になったのではないだろうか? 優秀賞 2点 「輝く温井ダム」 アーチダムならではの曲線が、大胆に省略された構図で力強さを生み出している。天端を歩く2人の人影がうまくアクセントになっているが、惜しむらくは若干小さすぎたようだ。また、一見しただけではダムであることがすぐにはわからないのではないかと気にする審査員もいた。 「鳴子ダムの観光放流」 鳴子ダムのこいのぼりは既に被写体として定評があるようで、他の写真コンテストでも見掛ける。もちろん他のコンテストで同じ題材が出ているから審査から外されるということはないのだが。 この写真は、鯉のぼりが小さすぎる、ロープに絡んでいる、天候が若干悪いなどのマイナス面もあるが、放流の迫力、美しさがそれを補った。 入選 8点 「広沢ダム」 全面越流の放流水が清々しさを出している。右側に写り込んだ電信柱と電線が残念であった。 「湖上の城」 油絵を見ているような、構図も色もたいへん美しい作品である。周りの紅葉にうまくとけ込んだ様子がよい。タイトルも絶妙。 「ダムは眠らずかんばります。」 荘厳さと力強さを感じる作品である。景観デザインを取り入れている長島ダムの表面のスリットや構造物の陰影が、光線の具合でうまく浮き出ている。昼間ではこうはいかなかっただろう。撮影者の計算と努力に脱帽。 「樹々の間から」 ダムという巨大で無機質な存在が、うっすらと靄にけぶり、奥ゆかしささえ感じてしまう。木々の緑とシルエットと、流れ落ちる水、ダムとのコントラストが良い。 「秋深まる味噌川ダム」 一見、何の変哲もないロックフィルダムの写真であるが、良く見るとロックフィルであるが故のロック一つ一つと紅葉がまるで点描のような効果を醸し出している。どっしりとした安定感もある。 「湖畔でメリークリスマス」 クリスマスツリーと噴水のライトアップが幻想的な美しさを演出している。惜しむらくは、この2者が離れてしまったために構図としてはややまとまりを欠いている。 「梅雨の晴れ間」 初夏のすがすがしさが、木々の緑の息吹を通して伝わってくる。全体の構図から、優しささえ感じる、爽やかで心休まる一枚である。 「晴天の下」 冬の澄み切った青空が湖面に映えて美しい。絵に描いたような雲もいい。空と堤体以下とがほぼ黄金比となり、撮影者の美的感覚を感じさせる。本コンテストでは初めての縦構図の入賞作品。 |