ダム湖の旅・野反湖
野反湖
ロケーション
  野反ダムは、群馬県の西北端、長野県境に接する辺りにあり、新潟県境もほど近い。ダムの南南西約10qには天下の名湯「草津温泉」も控えているというロケーションである。
  おそらく一般的には、野反ダムよりも「野反湖」のほうが有名なのであろうが、それでも、群馬県人でさえ知らない人もいる「秘湖」である。
  上信越高原国立公園特別地域及び自然休養林に指定されており、高山植物も豊富で、トレッキングコース、キャンプ場も整備され、アウトドア愛好者が多く訪れている。また、湖ではルアーフィッシング、フライフィッシングなどの釣りも盛んである。
  また、野反湖キャンプ場は、BE-PALの「ほんとうに気持ちいいキャンプ場日本一」に選ばれたほどで、なるほど、周囲に一般の人家はなく、空気も澄んでおり、その快適さは想像するに余りある。

天空のダム湖
  野反ダムの天端標高 EL 1,517m は、私が訪れた2004年時点では完成しているダムの中で最も高かった。堤体から湖面を眺めると、湖面と空とが本当に近いと感じる。
 あれから2年が経過した現在(2006年)では、南相木ダム(天端標高1,532m)が完成し、1番の座を奪われてしまった。ちなみに、その次に標高が高いダムは、上日川ダム1,486m、その次は琴川ダム EL1,464 mである。

野反湖周辺案内看板
<写真1 野反湖周辺案内看板>
  野反ダムは1956年に竣工。日本のロックフィルの中でも草分け的存在で、堤体のダム湖面をコンクリートで覆い遮水している、いわゆるCFRD(Concrete Faced(Facing) Rockfill Dam)である。

野反ダム下流面
<写真2 野反ダム下流面>
  下流面を見ると、「ロックフィル」と言うことがよくわかる。最近のロックフィルダムとは異なり、投石工法によるため、ランダムに岩石が積み重なっている感じである。また、法面勾配も結構きつい。これもCFRDの特徴の一つである。

野反ダム上流面
<写真3 野反ダム上流面>
  上流面だけ見ると、コンクリート張りの堤防と言った感じ。

野反貯水池ダム概要を記した看板
<写真4 野反貯水池ダム概要を記した看板>
  野反ダム諸元は下記の通り。なお、看板中には堤体積が「191.84m3」とあるが、これは191,840m3の間違いではないかと考える。参考までに『ダム年鑑』では堤体積は184,000m3となっている。もしかすると50年の月日を経て、堤体積が縮んだのか?投石工法のロックフィルダムならば、沈下による堤体積の減少もあるのかも知れない。

堤 高:  44m
堤頂長:152.50m
堤体積:191.84m3(184,000m3
総貯水量:28,700,000m3
湛水面積:1.8km2
昭和31年6月竣工
施工者:西松建設
管理者:東京電力
ダム天端標高:EL 1,517m
満水位標高:EL 1,514m
高山植物の宝庫
  残念ながら、今年は「ノゾリキスゲ」(ニッコウキスゲ)の大群落にはお目にかかれなかったが(ポツポツとしか咲いていなかった。遅霜のせいであろうか?)、初夏から初秋まで、300種以上の高山植物が目を楽しませてくれることは請け合いである。
ノゾリキスゲとハナショウブ
<写真5 ノゾリキスゲとノハナショウブ>

ハクサンフウロ
<写真6 ハクサンフウロ>

ウスユキソウ
<写真7 ウスユキソウ>

モウセンゴケ
<写真8 モウセンゴケ>

堤体対岸から見た野反湖
<写真9 堤体対岸から見た野反湖>

アクセス
○JR利用
  上野から新特急草津号で長野原草津口まで。
  ここからバス(70分)もしくはタクシー(60分)。
  ただし、バスは1日に2往復しかないので、注意が必要。
  バス時刻表

○自動車利用
  関越自動車道渋川IC→国道353号線→中之条→国道145号線→
  長野原→国道292号→国道405号→野反湖

関連ホームページ
六合村(くにむら)ホームページ

(copyright 財団法人 日本ダム協会)


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