ダム事典[用語・解説](拡張レヤ工法)


拡張レヤ工法 (かくちょうれやこうほう)
 コンクリートダム合理化施工法の一つ。ELCM(Extended Layer Construction Method の略、エルコムと発音されるようです)ともいいます。
 コンクリートダムを打設する際、レヤ工法では横継目により多数のブロックに分割されますが、拡張レヤ工法は施工設備などの許す範囲内でできるだけ継目を設けずに大きな範囲を一度に打設する工法です。横継目は、打設後、振動目地切機などにより設置します。打設面に段差が生じないため、RCD工法とともに面状工法として分類されることがあります。横継目の型枠が省略できること、施工ヤードが広くなり大型機械を使用できる、施工の安全性が向上することなどにより、施工の合理化・省力化が可能です。
 この工法は、1979年に一庫ダムの副減勢工で試験的に施工され、その後ダム本体にも採用されるようになり、現在では中・小規模の重力式コンクリートダムの主流の工法となっています。(→日本のダム:拡張レヤ工法)(→日本のダム:コンクリートダムの工法



上津浦ダム


四川ダム(撮影:安河内孝)


浄土寺川ダム(撮影:加藤敦)


鷹生ダム(撮影:安河内孝)