昨年の年末、日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)の水循環委員会(委員長・竹村公太郎リバーフロント研究所代表理事)が水力発電に関する提言を発表したとの新聞報道があった。「純国産の自然エネルギー・水力による持続可能な未来社会 〜既存のダム・水力施設の最大活用による水力発電の増強〜」と題する提言で、水力発電を今後のエネルギー政策の柱に位置付けるよう求め、既存ダムのかさ上げや用途変更などによって、新たに原子力発電所9個分の発電が可能とするものだという。タイムリーな話題なので、提言を早速取り寄せた。以下に断片的ではあるが、その中から目に付いた点をごく簡単に紹介する。なお、図表はこの提言によっている。
【主旨】
■東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故以降、化石燃料の輸入量が増大し、毎年約3兆円もの国富が流出している。
■水力発電は、CO2を排出せず、長期的には安価(電力会社の水力発電単価は 約3.8円/kWh)。気象変化に対して安定した発電が可能。
■試算によれば既存のダム等を最大限活用することによって、新たに発電出力930万kW、年間発電電力量324kWhの発電が可能。これに既存の水力と未利用水力を合わせると、国内の水力発電は現在の約2倍に増大。これを原油使用量に換算すると、輸入量全体の19%(2.6兆円)に相当する大きなもの。
【提言】
■「水力エネルギーの最大活用」を日本のエネルギー政策の柱に位置づけ、純国産エネルギーである水力を徹底して活用することによって国富を守ることを「骨太方針」と今後の「エネルギー基本方針」に明記する。 同時に、予算措置や水利用に関する制度改正を行い、政府と民間が共同して既存ダム等を最大限活用するための方策を強力に推し進める
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(2014.1.9、Jny)
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