茨城・栃木・群馬、北関東3県の中で茨城県にしかないもの、それは2級河川です。今回のツアーで巡るダムは、すべて茨城県知事所管の2級河川に建設された県営のダムとなります。
1.花貫ダム
花貫ダムでは、はじめに下流の「花貫さくら公園」から堤体直下を見学しました。こちらでも日立電鉄交通バスにお世話になりました。少しだけ残念だったのは、堤体を撮影するにはちょうど逆光の時間帯となってしまったことです。その後、参加者は、管理事務所にてダムコンの説明からルジオン値など大変貴重なお話を聞くことができました。
さくら公園からの花貫ダム
管理事務所からの花貫ダム 花貫ダムも、水沼ダムと同様にハウエルバンガーバルブで河川維持放流を行っているということです。管理事務所の方も、ハウエルバンガーバルブを採用している理由について、今となっては不明だということでした。 宮島さんの説では、この世代のダム(下久保ダムや二瀬ダムetc.)は直線的な放流であってもハウエルバンガーバルブが使われているので、当時の流行であったのではないかということです。
ハウエルバンガーバルブによる維持放流 花貫ダムは、「海が見えるダム」として知られています。
堤頂部から望む太平洋 この日の花貫ダムは、とてもよく太平洋を望むことができたと思います。
花貫ダム上流面 2. 十王ダム
十王ダムでは、操作室、繋船設備、ダム湖噴水の見学が予定されています。 十王ダムは越流部にゲートが設置されていますが、このゲートは放流を制御するものではなく水位調節用のものということでした。つまり、十王ダムは自由越流式のダムと同様の運用となっています。具体的には、洪水期は左右のゲートを全閉、中央のゲートを全開して水位を下げます。この日は、非洪水期にあたりますので、左右のゲートを全開、中央のゲートを下して水位を上げている状態でした。 バスを降りてダムを見ると、2号ゲート(右岸側)が中途半端な位置で止まっていました。通常では考えられない不思議な高さです。
十王ダム上流面 参加者一行は、管理事務所に案内され、操作室を見学します。 ここで、右岸側のゲートが途中で止められている理由がわかりました。昨日まで、ゲートピアの塗装工事が行われていたということです。そのためゲートを工事に支障のない位置に下げていたそうです。そして本日、私たちが見学に来るということで、仮設の足場を大急ぎで撤去したところだということでした。 「はいそれでは、これからゲートを非洪水期本来の位置に引き上げる操作をします。」 職員さんは、私達の前でこう告げました。一瞬、ほぼ全員「ウソだろう(冗談だろう)」と思ったはずです。ところが、職員さんは、おもむろにキーを挿入、さらに慎重に操作ボタンを押しました。あまりの想定外の展開に、参加者一同は歓声の声を上げざるをえません。
引き上げられるゲート ゲートは少しずつ本来の位置に移動しつつあります。
繋船設備においても、実際にインクラインを操作する現場を見学させていただき、本当に充実したツアーとなりました。その後、ダム湖に打ち上げられる噴水の見学が行われました。
繋船設備の見学
インクラインの操作 3.反省
噴水の写真をたくさん撮影して、十王ダム下流面を左岸から撮ろうと思ったところカメラが反応しません。表示を見ると「SDカードがいっぱいです」となっていました。予備のカードを取りにバスに戻り、ペットボトルのお茶を一口飲むと少しだけ意識を失ってしまったようです。気が付くと、参加者皆さんがダム式万歳の最中でした。まさかダム式万歳をバスの中からガラス越しで見るというのは思ってもいませんでした。 帰宅して翌朝になってから、十王ダムの新公式カードを受取っていないことに気づきました。 ・前日の睡眠は十分とる。 ・メモリーカードの残量は常に確認する。
あのように階段を上り下りして何が楽しいかと問われると、その理由は全く説明できません。また、その理由を述べなければならない必然性もないと思います。十王ではダムカードは貰えませんでしたが(当然、本人が悪い)、逆に次回も参加したいという強い願望が湧いてきました。
十王ダムの噴水 なお、滋賀県から参加されたピンクのうさぎさんのブログでは、新カードが紹介されていますのでこちらをご覧ください。
最後にはなりましたが、休日を返上してご案内くださいました茨城県高萩工事事務所の皆様・管理事務所の皆様、小山ダム物産所の皆様、宮島様・琉様、素敵な企画を立案された株式会社JTB関東水戸支店様、添乗された西島様、東都バス・日立電鉄交通バスの運転手様にこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。 再度、同じ内容で同じツアーが企画されるのであれば、直ちに予約したいと思います。
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