東京外環自動車道(三郷→大泉方向)、三郷西IC付近を通行していると、中川付近で防音壁の切れ目から、ピラミッド状の鉄骨が連綿として繋がっている水管橋のようなものを見ることができます。(高速道路ですから、ハンドルを握っているときは運転に専念し、車中からの見学は助手席に座ったときのみとしてください。)
1.さまざまな三弦橋
東京ガスのパイプライン(撮影場所:中川、埼玉県八潮市付近) 現地で確認してみるとやはり中川に架けられた三弦橋となっていました。この場所には「東京ガス」のマークがありました。同社の関連施設のようです。 地図を見ると、このパイプラインはその後地中に埋設され、江戸川を再び同じような三弦トラスの構造で渡っているようです。江戸川に架けられた三弦橋は、JR武蔵野線の電車(新松戸−三郷間)の中からもよく見ることができます。
江戸川を渡るパイプライン(撮影場所:江戸川、千葉県流山市付近) このように水管橋以外の構造物にも、三弦橋が採用される例があるようです。 一方、一庫ダム上流部の一庫大路次川(兵庫県)に架けられている水管橋は、断面が逆三角形となるものでした。下向きの三角形の頂点の部分に水道管が通っています。右岸側のほぼ半分は点検通路になっていました。この部分は上路式の三弦橋ということができます。(点検用の通路の部分は、一般人の立入はできません。)
一庫大路次川を渡る水管橋(撮影場所:大阪府能勢町)
2.城山ダムの三弦橋
「三井(みい)大橋」は、城山ダム建設の際に付替橋梁として建設されたものです。この橋は片側1車線の道路(神奈川県道513号線)で、今日となっては幅員が狭いものとなってしまいました。このため、下流側に歩行者・自転車専用の橋が増設されることになりました。
三井そよかぜ橋(左)と三井大橋(右) 平成24年度から供用が開始された新しい橋は、「三井そよかぜ橋」と命名されました。橋梁の型式は「吊り橋」ですが、その橋桁は逆三角形のピラミッド状の構造となっていました。上路式の三弦トラス橋です。
三井そよかぜ橋の橋桁 既設の三井大橋がアーチ橋(ランガー橋)ですから、増設する橋は、景観を考慮すると同じアーチ式を採用したほうが無難である感じもします。あくまでも推測の範囲ですが、設計者には、歩行者(観光客)が津久井湖の風景を橋の上から楽しむことができるような配慮があったのかもしれません。あるいは、城山ダムが完成する前にこの地にあった『塩民橋』が吊り橋であったことに由来しているのかもしれません。
三井そよかぜ橋からの津久井湖 城山ダムは都心からアクセスしやすいダムで、電車とバスを使って行くことも可能です。ほぼ常時クレストゲートからの放流も行っています。また、ダムカードも配布しています。ぜひ一度訪れてみてください。
台風通過後の城山ダム
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