《このごろ》
「鎮西堰堤探訪記」〜其の一・スプラッシュ徳山ウンテン(??)〜

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2005年北海道、2006年四国、2007年中国と長距離ダム巡りをしてきた私、河川一等兵。

今年は九州ダム巡りを!そう思い、連休を利用して行って参りました。
その旅日記として「鎮西(九州の旧い呼び名です)堰堤探訪記」として、勝手ながら不定期連載(!?)をさせていただきます。

4月26日(土) 曇り時々雨 総行程550.4キロ

仕事を片付け、愛車・オデッセイの後ろをフラットにしてエアベッドを引き、車中泊の用意を整えて、一路九州へ向かった。
九州の前に「徳山ダム試験放流」を是非この目で!と思い、岐阜へ向かう。中央道経由で大垣インターを下車したのが夜10:30。かつて営業担当地域だったこともあり勝手知ったるこの地域を北上、最初の宿泊地としたのが「道の駅・星のふる里藤橋」。時刻は深夜零時近くだったのでさっさと寝た。

4月27日(日) 曇りのち晴れ 総行程691.4キロ

翌朝、天気は前の日のぐずついた空模様を引きずりつつも、晴れていた。さて、徳山へ、と思い身支度を整え出発。
出発して五分くらいで横山ダムが左手に。おおっ、クレスト放流!!帰りに見ようと心を躍らせそのまま北上した。
朝8時過ぎだというのに、車が多い。みんな目的地は一緒なのか。そう思いながら9時に徳山ダムへ到着。マイカー規制していたので徳山会館へ向かう。駐車場が残り二台しか空いていない。朝から盛況だなあなんて思いながらシャトルバスに乗り込み、ダムサイトへ。シャトルバスは補助席を出すほどの満員御礼。

目に飛び込んできたのは、滔々と洪水吐きを流れる水。大迫力!どっかでみたことあるな、そう思っていたが、「ああっ、某ネズミ王国のスプラッシュ・マウンテンか!?さしずめ、スプラッシュ・トクヤマウンテンだな」などと朝から下らないことを考えながらしばしその景色に見とれる。私は下らないこと大好き人間なので、この文を見た方、勘弁してほしい。どっしりとした堤体を歩き往復2キロ。朝から良い運動になった。家族連れやカップル、老夫婦など観光客が多い。このまま観光地として定着してくれれば、そう願った。湖底に沈む徳山村に住んでいた方々のためにも・・・。

徳山会館を後にし、横山ダムのクレスト放流を見た後、久瀬ダムへ。いつも放流しているこのダムは、ど迫力の放水ショーを演じていたが、結構皆素通り。もったいない。西平ダムを見学後関ヶ原経由で滋賀のダム巡りをと思い、姉川ダムへ。その前に藤古川ダムという関ヶ原町の上水道水源地に寄る。恐らく高さ15メートル未満で
あろうが、渋い雰囲気。関ヶ原の戦いハイキングコースの通路にもなっているので、天端にも寄る。その先は西軍の副将・宇喜多秀家の陣地跡。歴史好きにも良いダムだ。
姉川ダム訪問後、名神多賀サービスエリアで昼食。彦根城の「ゆるキャラ」・ひこにゃん音頭がエンドレスで流れる。「ひこにゃん、ひこにゃん、ひこにゃんにゃん♪」。覚えてしまった・・・。

空腹を満たし、永源寺ダムへ。「ダム湖百選」にも選ばれているこのダム。しかし立入禁止。うーん、この矛盾。地域の活性化を図るための「ダム湖百選」ではないのか。意味を分かっているのか、滋賀県!そう苦言を呈したくもなる。鈴鹿国定公園だろうが、ここは。割り切れない思いを残して蔵王ダムを経て野洲川ダムへ。このダムとは相性が悪く、過去二回訪問したときは鈴鹿スカイラインが通行止めで訪問できなかったが、三度目の正直で訪問できた!再開発完成まであと一息といった所。近畿ダム巡りの時に再び訪問したい。青土ダムからできたばかりの新名神・甲賀土山インターを経由して瀬田川洗堰を見学したころには夕日が傾いていた。次が最後と思い定め、天ヶ瀬ダムへ。

天ヶ瀬ダムには17:00到着。観光客はまだ多い。残念ながら放流はしていなかったが、見学。旧志津川発電所方面に回る。橋上からダムの勇姿を見て、視線をずらすとすぐ下流で釣り師の姿が!?立入禁止だろうに、これで川に流されても文句は言えないぞ。マナーは守りましょう、自分も含めて。他山の石と思い気を引き締める。今日のダム巡りを終え、風呂探しを考える。
なるべく九州に近づきながら温泉へと思い、選んだのが湯原温泉。そう、湯原ダム真下にある露天風呂を選んだ。温泉に到着したら21:00を過ぎていた。

露天風呂にゆったり浸かりながら湯原ダムを見る。後ろには若い女性がいたが、そんなのは無視して(←本当か?)ダムを眺め運転の疲れを取る。そして今日の寝床を探すために再び中国道に入り、行けるとこまで行ってみた。深夜零時を指す頃、広島の安佐サービスエリアに到着。ここは昨年の中国ダム巡りでも利用した場所。懐
かしいなあと思いながら寝床の用意をして、車中泊。「明日はいよいよ九州か・・・」と考えながら眠りについた。
(つづく)

(2008.5.14、河川一等兵)
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