今回は「河北新報」と一緒に、今年春から配布が始まった“栗駒ダムカード”について取材する機会に恵まれました。(取材日は平成28年6月2日、私のカメラが不調だったので知人がカメラマンとして同行)
ダムに到着して記者さんと合流すると、すぐにハヤブサが飛んできてびっくり。 余水吐上方の崖にハヤブサが営巣しているとは聞いていましたが、まさかこのタイミングでヒナに餌を運んで来る様子を見られるとは!この距離でも餌をねだる声が聞こえるんですね。 ダムを見る前から感動してしまいました。
その後事務所を訪ね、今年春に出来た“栗駒ダムカード”について取材しました。 今まで無かった“栗駒ダム”のカードができたきっかけは、栗駒ダムの管轄が「農林」から「土木」へと変わり栗原地方ダム総合事務所に統合となったため。とのことでした。
現在、栗原地方ダム総合事務所では、花山、荒砥沢、小田、栗駒の4ダムを管理していて、昨年の見学者は約700人、ダムカード配布枚数は3ダム合わせて2000枚だったそうです。 今回の栗駒ダムの写真は、昨年秋にドローンを使って撮影したものを採用とのこと。 個人的には、地元のみんなが待ち望んでいた栗駒ダムカードができて嬉しい限りです。
ダムカードのお話を聞いたあとは花山ダム内を見学。ゲート室、監査廊、バルブ室、余水吐きの順に見せていただきました。
まずは取水設備。 取水ゲートは直線4段式ローラーゲート、制水ゲートは鋼製スライドゲートで、能力上は最大9tの取水が可能との事。これが発電用水や農業用水になるんですね。
次に洪水吐き。 花山ダムといえば親子ゲートと言ってもよいくらい(私だけ?)特徴的なゲートです。 親ゲートは子ゲート内蔵型ローラーゲートで最大放流量765t/門、子ゲートはスライドゲートで最大放流量50t/門の組合せ。これが2セット設置されており、管理事務所に近いほうから1号ゲート、2号ゲートとなっているようです。より細かな洪水調節を行えるよう親子ゲートになったそうです。
展望台から5月撮影 | | | | 改修前のゲート(昭和55年頃) ここまで下流公園から歩いてくる事ができたようです
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続いて監査廊へ 堤体法面(左岸側)の管理階段をひたすら降りたところに監査廊入口が。 地形や建設された年代から・・・監査廊は想像通り(?)狭くて短かったです。
| | 水とりぞうさんが! |
当然、プラムラインなどというものは無く、地震計と漏水量を監視しているシンプルなもの。
| | 壁には型枠板の木目 |
次は余水吐まで行くのですが・・ 今降りて来た階段を昇ってゲート室まで戻り、今度は法面右岸側の管理階段をひたすら降りて・・
発電所建屋の脇を通り抜けるような感じで放流バルブ室へ。 朝顔形余水吐きからのは余水は、ここから河川維持放流されているんですね
この上部には、あの“ダム穴”があるワケで、昇っていくと・・・ありました。
ダム穴の上にかけられている柵?は、どうやら古レールが使われているようです。
旧くりはら田園鉄道(平成19年廃止)の前進、栗原軌道(当時)は細倉鉱山へ国鉄貨車を直接乗入するため、昭和30年に軽便サイズから国鉄サイズに改軌(軌間762mm→1067mm)しました。 この時、不要となった軽便規格のレールは駅舎やフェンス、ホーム上屋の柱などに再利用されたようですが、まさかダムにまで!? ダム建設時期(昭和32年完成)が重なった事、資材費節約といった裏事情があったのでしょうか。 近代化産業遺産となっている「細倉鉱山」や「くりはら田園鉄道」のみならず、栗原の発展を陰で支えていたんですね。
写真から40〜50ポンドレールのように見える、短いレールも溶接して長物としているようだ。 もし、40〜50ポンドのくりでん古レールなら1800年代後半の米・英・仏製が入っている可能性がある! とのこと。(鉄道に携わっていて、くりでん古レールを調査している知人に確認)
最後になってしまいましたが、お忙しい中対応して下さった所長さんをはじめ、職員のみなさん、河北新報さん、本当にありがとうございました。(管理階段昇り降りさせてしまってゴメンナサイ)
ダムを見たあとは国道398号線を秋田方面へと向かい、「ランプの宿」で知られる湯浜温泉三浦旅館で温泉に入り、ダムカードならぬ“温泉カード”もGETしてみてはいかがでしょうか?
お湯も、もちろん最高ですよ〜♪。 (温泉カードは、栗駒にある新湯温泉くりこま荘と駒の湯温泉でも発行しています)
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