高額な返礼品で何かと物議をかもしている「ふるさと納税」ですが、河内長野市では「ダム見学」が返礼品に付くという情報を知人からいただきました。そこで、さっそく寄付の申し込みをすることにしました。
- 返礼品
返礼品のタイトルは、正式には『<一般公開してないダム探検&カードセット>滝畑ダム500日醸成 天野酒僧房酒』でした。この返礼品を選ぶと、限定醸造酒と合わせて滝畑ダムのダムカード(Ver.3.0)が送付されます。現在、滝畑ダムを訪れた方には、Ver.2.0のカードが配布されております。Ver.3.0のカードはふるさと納税者限定のものだそうです。また、希望者には、特典として「滝畑ダム探検」を申し込むこともできるという内容でした。なお、この「滝畑ダム探検」が付く寄付につきましては、今年度分は受付を終了しています。
返礼品(僧房酒とダムカード)
返礼品の「滝畑ダム500日熟成天野酒僧房酒」は、滝畑ダムのリムトンネル内で原酒を500日間熟成させたもので、至極の逸品だということです。トンネル内で熟成させていないものと比較すると、風味・味わいが全く異なるそうです。
- ダム探検
滝畑ダムは、大阪府が管理する多目的ダムです。見学会は、河内長野市担当者の挨拶の後、大阪府の職員の方の案内で行われました。
滝畑ダム管理所内(通常は非公開)
滝畑ダムは、下流直下を除いて広く一般に開放されており、大阪府民の憩いの場となっています。今回の「探検」では、通常は公開していない堤体内部やリムトンネル、下流側などを見学することになっています。はじめに管理事務所でダムの概要について説明があり、いよいよダムの非公開エリアの探検が始まりました。
滝畑ダム堤頂部
見学日現在(令和元年6月22日)、近畿地方は梅雨入りしておらず、ダム湖の水位は例年に比べて低いものとなっていました。
見学日のダム湖の状況
探検隊一行は、左岸側フーチングの急な階段を下りて、下流広場に降り立ちます。滝畑ダムでは堤体下流面を見上げることができる機会は、そう簡単にはありません。草むらの中の縁石は、かつてこの場所が公道であったことを示すものだそうです。往時は、滝畑村へ向かう路線バスがこの場所を走っていたそうです。
滝畑ダム下流面
廃止された公道の痕跡(縁石)
一通り見学した後、監査廊からダム堤体に戻り、プラムライン室・漏水量測定室・取水バルブ室・放流管ゲート室などの説明を受けました。
漏水量測定室
普段は入れない場所に行けることは、本当にワクワクするものです。急な階段を登ることも、全く苦痛にはなりません。
ダム堤体内の急な階段
事前の参加要項で、女性はスカートやハイヒールの使用が禁止されている理由がよくわかりました。
放流管ゲート室
スライドゲートの銘版
放流管ゲート室に案内されました。このゲートは、試験湛水時に水位を上げるため常用洪水吐に設置されたものです。その後、再び使用されることはなくゲート全開の状態で静かにダム堤体内に眠っています。
おおさかの水
充実した見学会を終えて、リムトンネル内で大阪の水道水をいただきました。おいしい水を確保するために、土地を譲っていただいた方に感謝しながら。
参加記念品
- 摩崖仏
滝畑ダム下流右岸側には、摩崖仏があることで知られています。この摩崖仏が大正末期から昭和初期にかけて、地元の郵便局長をされていた方が彫ったものだそうです。天端からは、目を凝らして見てもなかなか判り難いものです。
滝畑ダム堤頂部からの摩崖仏
この見学会で、滝畑ダム直下に降りて見上げると、左側の地蔵菩薩像と右側の観音菩薩像がよく判りました。さらに、観音菩薩像の頭上には、梵字も刻まれていることがわかりました。やはり摩崖仏は、上から見下ろすのではなく、地上から拝むために彫られたものであることを実感しました。
滝畑ダム直下からの摩崖仏
梵字
とても貴重な見学会であったと思います。他の自治体でもこのようなイベントを検討して欲しいものです。また、河内長野市においても来年度も同様の企画を検討していただければ地域振興につながるのではないかと思いました。