大沢ダム(ダム番号0136)は北海道上川郡当麻町にある防災目的のロックフィルダムです。
北海道有数の稲作地帯である当麻町の水田地帯を貫流する牛朱別川は融雪期や豪雨時に洪水が頻発し流域の農地に多大な被害をもたらしてきました。これを受け1973年(昭和48年)に道営防災ダム事業が採択され牛朱別川本流及び右支流小沢川に2基の防災ダム建設が進められました。そして1994年(平成6年)の小沢ダム(ダム番号0118)に次いで2002年(平成14年)に完成したのが大沢ダムで両ダムの連携により牛朱別川流域約900ヘクタールの農地を洪水から守ります。
ところが大沢ダム一帯は当麻町が管理する町有林でダムへ通じる町営林道はダム手前約1キロ地点にゲートが設けられ関係者以外立ち入ることができません。2021年(令和3年)7月訪問時はここで引き返しました。
今回は、事前に大沢ダムを管理する上川総合振興局様にダムへの立ち入り許可を得たうえで、林道を管理する当麻町農林業振興課様に申請し無事入林許可が下りました。
こちらが町有林への入林許可証で、併せてゲートの鍵を貸与されます。貸与の際にヒグマが出るのでクマよけの笛は必ず持参するように釘を刺されました。
| 無事にゲートを開放 |
貸与された鍵は退出後に農林業振興課に返却します。
| まずはダム下へ |
凍上対策で芝が張られることが多い北海道のロックフィルダムとしては珍しくロック材が露呈。
| ダムサイトに上がります。 |
せっかくの事業説明板ですが色が剥げて読みにくい。
貯水池は総貯水容量90万立米。堆砂容量の22万2000立米分だけ貯留され、残りはすべて洪水調節容量。
| 放流設備をズームアップ |
普段は流入水はここから通水され、洪水時に貯留する仕組み。
| 非常用となる横越流式洪水吐。 |
| 右岸高台から俯瞰 |
右手に洪水吐斜水路が伸びます。対岸の建物は管理事務所ですが職員は巡回のみで常駐はないようです。
| 同じ場所から上流側にカメラを振ると |
トドマツが植林されているのが町有林。当麻町には外郭団体として森林組合があり、町が林業や製材業を担っています。
立ち入り許可をもらうのはハードルが高いか?と思われたのですが、手順を踏むと簡単に許可が戴けました。北海道上川総合振興局への紹介など、親切に対応していただいた当麻町農林業振興課様には厚く御礼申し上げます。