[テーマページ目次] [ダム便覧] [Home]


野生動物がダムと共生(味噌川ダム)

 味噌川ダムの周辺は、ダム湖を含んで自然が残り、そこに多くの野生動物が生息しています。その一部を紹介します。作成に当たっては、独立行政法人水資源機構味噌川ダム管理所にご協力いただきました。
 
■クマタカ
 クマタカは、山地に住む希少な猛禽類。日本では、北海道から九州にかけての亜高山から低山の森に生息している。全長は、オス72cm、メス80cmで、翼開長は、140〜165cm。

 味噌川ダム周辺にもクマタカのツガイが生息している。1999年春に雛が生まれ、雛は、豪雪の冬を無事乗り切り、大きく成長し、時々親子で飛んだり餌探しをするなど、ダムのある環境と共生している。
 写真は、巣で親からもらった餌(ネズミ?)を食べる幼鳥。2000年7月撮影。


■ハクビシン


 ハクビシンは、ジャコウネコ科の哺乳類で、タヌキと間違えやすいが、むしろネコ科やイタチ科に近いと考えられている。頭から尻までの長さは60〜65cm程度。日本にもともといた動物ではなく、外国から移入された動物と考えられていて、もともとの分布地域は、中国西部から東南アジア、海南島、スマトラ、ボルネオ、台湾など。日本での分布は、年ごとに拡大してきており、ほぼ北海道から九州まで見られる。

 写真は、ダムの堤体上を歩くハクビシン。しっぽが長い。
■ニホンカモシカ


 カモシカ属のなかでも最も原始的な種といわれる。日本の本州、四国、九州の山地に分布。特別天然記念物。 おとなで頭胴長100〜115cm、こどもは約35cm。移動を行わない定着性の動物で、それぞれがなわばりをもって、ふつう群れをなさず単独で行動する。
■ツキノワグマ


 世界には 5属 7種のクマがいるが、ツキノワグマはその一つで、アジアからロシアにかけて広く分布する。日本では、本州より南に分布するが、九州ではすでに絶滅したと考えられ、四国でも絶滅が心配される状態になってる。絶滅危惧種。体長140〜160cm 。子育て中の親子以外は単独生活をする。雑食性で、普段は植物の新芽や木の実などの植物性のものを食べている。冬期には樹洞、岩穴、土の穴などに籠もって冬眠する。雌は冬眠中に一頭か二頭の子を産む。

 味噌川ダム周辺にも時々出没する。山へ入るときはクマ鈴などの使用を。
■ノウサギ


 日本固有種。平地から亜高山帯までの森林・草原に棲息する。頭胴長45〜55cm。葉、芽、樹皮などの植物性のものを食べる、やさしい性質の動物。棲息地域により、冬に毛が白くなるものとならないものがいる。

 写真は、ダム周遊道路にいたノウサギ。道路に出てくることも多いようだ。
■カケス


 日本全国に分布する。褐色の体に、羽の一部にきれいな青。黒い色をしていないが、カラスの仲間。ジェーッという声のほかに、ほかの鳥の声や物音のまねた声も出す。

 味噌川ダム周辺でも頻繁に見かける。飛んでいる時の羽の青色がとてもきれいだ。
■ミサゴ
 ワシタカ科の留鳥。北半球全体に広く分布し、日本では沖縄を除いてほぼ全国的に繁殖している。海岸部に多いが、冬期、内陸部の河川や湖沼にも広く出現する。全長オス54cm、メス64cm。停空飛翔した後、飛び込んで魚をとらえる。

 味噌川ダムでは、2002年10月末から11月中旬にかけて飛来し、ダム湖の奥木曽湖に生息するイワナを捕獲し食べていた。2003年は、5月頃からダム周辺で時々見かけた。


《ダム湖で獲物を捕るミサゴ》
飛翔して、獲物のねらいを定める

ダイビングして、水中へ

水中から飛び立つ、手には獲物(イワナ?)が
[関連ダム]  味噌川ダム
(2004年9月作成)
ご意見、ご感想、情報提供などがございましたら、 までお願いします。
[テーマページ目次] [ダム便覧] [Home]