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■水の惑星というけれど
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地球は「水の惑星」といわれる。宇宙船から見る地球は、青く輝いて見えるが、それは地球が水の惑星だからだ。 そして、人間を含めて生物は水なしでは生きられないし、人の体も約6割は水で出来ている。人間は、水を直接飲んだり、食物を通じて水を摂って、その命を保っている。 人間にとって不可欠な水が、「水の惑星」にはふんだんにあるようだが、しかしよく見ると、直接利用しやすい水は限られている。 地球上の水の約97.5%は海水で、淡水は2.5%にすぎない。しかも淡水のほとんどは南極や北極の氷で、利用しやすい河川や湖沼などの水は0.01%にすぎない。 世界を見ると、人間の居住密度は地域により大きく異なっており、人口が偏在している。一方で、使える水も偏在し、使いやすさも地域により大きく異なる。
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(出所:(財)水資源協会「日本の水 2005」) |
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■世界の水問題
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途上国を中心に水問題が深刻化している。2000年現在、世界人口の約2割(11億人)が安全な飲み水が利用できない状態に置かれている。状況は地域により大きく異なり、ヨーロッパ、北アメリカ、日本などはほぼ100%の人が安全な飲み水が得られているが、アフリカでは62%、アジアでは81%にしかすぎない。 蛇口をひねれば、水が当たり前のように出てくる、それが日本の日常だが、アフリカやアジアではそんな当然と思われることが実現できていないのが現実である。 そして、人口の増大、地球温暖化などによって、水不足、水汚染などの世界の水問題は、今後ますます深刻化すると言われている。
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(出所:(財)水資源協会「日本の水 2005」) |
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■21世紀は水の世紀
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1995年、当時世界銀行の副総裁であったイスマル・セラゲルディン氏は「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」と予測したという。その発言から10年を経た現在、世界の水問題は深刻化し、21世紀は「水の世紀」という言葉が、水不足・水汚染・水紛争などを包括する概念として、しばしば使われるようになってきている。 そして、水問題はもはや途上国だけの問題ではない、その解決に向けて国際的な取り組みが必要だという認識が広がりつつある。 一方では、希少性のある水を国際ビジネスとして取り込もうとする動きがあるという。20世紀は、石油を押さえたものが世界経済の行方を左右した時代だった。「水」が「石油」に代わるとすれば、国際石油資本ならぬ国際水資本が登場するのか。このようなことが世界の水問題の解決にとってどのようなインパクトを与えることになるのだろうか。
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■日本は世界の水を消費している
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ミネラルウォーターなどごく少量を除けば日本は水を輸入しているわけではないが、しかし実は世界の水を消費している。それを理解する鍵は「バーチャルウォーター(仮想水)」だ。 バーチャルウォーターとは、ある国の輸入物資をもし仮に自国内で作るとしたら必要となる水の量のこと。例えば、ステーキ200グラムに必要な水は、約4千リットルで、2リットルのペットボトルで約2千本分に相当する。 沖東大助教授は、日本のバーチャルウォーターを穀物5品目、畜産物4品目と工業製品について計算している。総輸入量は年間640億m3。これだけの水を日本が外国で消費していることになる。 品目別の年間の量は、とうもろこし145億m3、牛140億m3、大豆121億m3などで、工業製品はわずか14億m3。 世界の水を消費する日本は、世界の水問題に無関心であってはならない。
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(出所:国土交通省水資源部編「平成16年版 日本の水資源」) |
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(2005年8月作成)
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