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1.石川県のすがた

 石川県は本州中央部の日本海側に位置し、南西から北東にかけて約 200kmにわたってのびる面積4185km2の狭長な地形となっている。

 地理的には日本海に突き出た能登地方と金沢市を中心とした加賀地方に大別される。能登地方の地形は、いわゆる邑知潟低地帯を除けば、その大部分は丘陵性山地となっており、日本海へ注ぐ鵜飼川、町野川、河原田川、八ケ川、羽昨川などの河川は短く、平野部が少ない。日本海側は複雑な海岸線となっている。一方、加賀地方は霊峰白山(標高2702m)をはじめとする白山連峰に連なる福井県、岐阜県、富山県に接しており、北東に向かって加賀丘陵、宝達丘陵を形成し、徐々に高度を減じながら、能登半島に達する。南部の岐阜県、福井県との県境の両白山地帯からは手取川や大聖寺川の水源となっている。金沢市などを占める金沢平野は、手取川の扇状地、犀川、大聖寺川が運んだ土砂がつくった平野である。

 石川県の気候は能登地方と加賀地方の奥地では相当な差が生じる。能登地方は典型的な日本海気候を示し、沿岸を流れる対馬暖流の影響で、おおむね温和な気候となっている。これに対し、両白山地は日本有数の豪雪地帯で知られている。降水量は南北に長い地形の影響を受けて、能登地方の羽昨郡、鹿島郡で年間降水量は2000mm前後、石川県では最も少ない地域に属している。一方、加賀地方は、白山連峰を控えており、その影響で海岸部より、次第に降水量を増し、特に加賀山間部手取川上流部では4000mm近い年降水量を示す。金沢市の年平均気温は14.3℃、年間降水量は2470.2mmとなっている。農業では金沢平野は早場米の産地として知られ、沿岸の丘陵地帯はスイカやメロン、ナシなどの栽培が盛んである。能登地方は平野が少ないため畑作中心で、輪島市白米では千枚田と呼ばれる棚田がある。

 工業は福井県にまたがる北陸機業地域をつくりあげ、繊維・製品の出荷が高い。最近では、電気機器工業と一般機器工業の出荷額が繊維工業を上まわっている。

 石川県の人口の推移をみると、大正9年(1920)74.7万人(78%)、昭和25年(1950)95.7万人( 100%)、昭和45年(1970) 100.2万人( 105%)、平成2年(1990) 116.5万人( 122%)、平成17年(2005)9月現在 117.5万人( 123%)となっており、平成期以降ほぼ横ばい状態にある。なお、石川県の鳥は「イヌワシ」、花は「クロユリ」、木は「アテ」と各々制定されている。以上、ポプラ社編・発行『総合百科事典ポプラディア』(平成14年)などを参考とした。


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