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1.長野県のすがた

 長野県は日本のほぼ真中に位置する海のない県である。西から南にかけて飛騨山脈北アルプス、木曽山脈中央アルプス、赤石山脈南アルプスの険しい山々が連なり、中央から東にかけて八ケ岳連峰や上信越火山群がひろがる山国である。総面積13585.22km2で、その内訳は、森林77.8%、畑 5.5%、水田5%、宅地 3.6%、その他 8.1%となっており、人口は約 220万人(平成18年1月現在)を有する。周囲の山々を源として、千曲川、梓川、犀川、木曽川、天竜川など日本有数の河川が流れ出し、これらの河川沿いに佐久盆地、上田盆地、長野盆地、松本盆地、諏訪盆地、伊那盆地の6つの盆地を形成する。

 長野県はアルプスに囲まれた森林77.8%を占める山国であるが、河川の国、盆地の国ともいえる。この6つの盆地の地域を中心として農業、林業、機械工業、観光業など幾多の産業が発達してきた。



 長野県は18市30町54村を有するが、次のように東信、北信、中信、南信と4つの地域に分けられる。

・東信地方は、千曲川沿いに佐久盆地と上田盆地を中心とした地域である。佐久盆地は、八ヶ岳などに囲まれた高原の盆地であり、標高 600〜 900mの高原では野菜や酪農が盛んである。千曲川の沿岸には近代的な工場が進出している。千曲川の中流には、上田盆地を形成し、水田が開け、周辺部には果樹園が広がり、クルミの木や、野菜、薬用人参の畑が多い。小諸市、上田市を有する。

・北信地方は、千曲川下流に広がる長野盆地を中心とした地域である。この地方は北部と南部では気候に大差があり、北部飯山地域では豪雪地帯である。信州リンゴの名で全国的に有名な長野県のリンゴは、約70%がこの長野盆地で生産される。県庁所在地長野市を有し、また善光寺参りの門前町として観光客も訪れる。

・中信地方は、松本盆地を中央に、北の姫川の谷と南の木曽路を併せた地域である。松本盆地は、飛騨山脈を源とする梓川、高瀬川により扇状地をつくり出し、この地域を安曇野と呼ばれ、江戸後期からの農民たちの苦心で多くの用水路が引かれ、信州の穀倉地帯となっている。梓川と高瀬川の合流するところは、湧水が豊富でワサビ栽培が盛んである。城下町松本市を中心とする。

・南信地方は、諏訪盆地と伊那盆地を中心にした地域で、諏訪市、伊那市、飯田市を有する。諏訪盆地は標高 760m〜1200mに位置し、日本一高い盆地である。諏訪湖の周囲は豊富な水を利用して精密機会工業が盛んで、高原では観光と高原野菜が中心となっている。伊那盆地は、諏訪湖が流れだす天竜川沿いの細長い盆地であるが、周囲は険しい山々に囲まれ河岸段丘が発達した。この盆地では果樹栽培が盛んで、特に、二十世紀なし、鳥取県、茨城県につぐ産地である。また、中央自動車道の開通によって工業化が進んできた。

 なお、労働人口 120万人における産業別労働の割合(平成12年)は、第一次産業11.2%、第二次産業35.1%、第三次産業53.3%、その他 0.4%となっている。なお、昭和41年に、長野県の鳥は雷鳥、花はりんどう、木は白樺、獣はカモシカとそれぞれ制定された。 以上、長野県のすがたについて、旺文社編・発行『日本の地理・中部地方』(平成2年)、長野県企画局情報政策課統計活用室編・発行『ながの県勢要覧・平成16年版』(平成17年)に拠った。

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