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3.青森県のすがた

・青森県の人口、地勢、気象

 青森県は本州の最北端に位置し、ヒバ林で知られる下北半島と津軽半島が北に突き出しており、「兜」に似た形となっている。北は陸奥湾から津軽海峡を隔てて北海道に対し、南は秋田、岩手両県に接し、東は太平洋、西は日本海に面し、三方を海に囲まれている。

 青森県の面積は9607km2、このうち森林面積は64.3%を占め、人口142.3万人、人口密度150人/km2である。

 青森県の地勢は、奥羽山脈が八甲田山を中心に県の中央山地を形成し南北に連なり、北方に伸びて夏泊半島、さらに陸奥湾を越えて下北半島に至り、八甲田山の東側は丘陵地を形成し、前述の三本木原台地が拡がる。一方、秋田県との県境は1000m内外を有する世界遺産に登録された、白神山地からなり、西側の岩木川流域は穀倉地帯の津軽平野をなし、その北方は津軽半島に至る。

 青森県の気象は、本州最北の緯度にあるため冷涼型の気候で短い夏と低温で長い冬を特色とする。しかし、山脈や半島、陸奥湾など複雑な地形や海流の関係で、太平洋側、日本海側、陸奥湾沿岸においてかなりの気候の差が生じる。一般に日本海側は対馬海流の影響で太平洋側に比べて温暖で、冬の季節風は強く受けるが、積雪量は多くない。しかし、内陸部は、多雪地帯となっている。太平洋側では春の終わりから夏にかけて吹く偏西風(やませ)のため低温の田が多く、冷害に見舞われやすく、一方陸奥湾沿岸は年平均気温も低めで、積雪量も多い。

 青森県の最高気温は27.7℃、最低気温はマイナス3.2℃となっている。(平成16年度)

・青森県の地域区分

 旺文社編・発行『日本地理・東北地方』(平成2年)によれば、青森県の地形の特色によって、青森地域、津軽地域。県南地域、下北地域の4つの地域に分け、次のように記している。

1)青森地域
 東は野辺地町から、西は津軽半島先端、三厩村までの範囲で、ほぼ陸奥湾に面した地域である。青森市(人口31.3万人)は、この地域のほぼ中央にあり、政治、経済、文化の中心地をなしている。江戸時代の青森は、津軽藩の城下町弘前の外港として開かれた港であったが、今日では東北本線、奥羽本線の終着点であり、昭和63年青函トンネルの開通により北海道函館まで結ばれ、交通の要衝地である。
 また、青森港の東部には水産加工工場、造船工場、西部には木材コンビナートなど工業地帯をなしている。
 八甲田山のすそ野や丘陵地には宅地造成がなされ、幸畑団地や、戸山団地が造られ、市街地周辺に人口が増加した。
 青森地域は浅虫温泉、酸ケ湯温泉、竜飛岬、八甲田山など多くの観光保養地がある。

2)津軽地域
 津軽地域は、秋田県境、白神山地から流れだす岩木川が津軽平野をつくり、岩木川の河口には潟湖の十三湖がある。津軽地域の中心地は弘前市(人口18.7万人)で周辺には、米やりんごの集散地である五所川原市(人口6.3万人)、黒石市(人口3.9万人)がある。
 津軽平野の農村部では、米とりんごの栽培が盛んで、りんご無しでは語れない土地である。また、日本海沿岸屏風山の砂丘地帯では、スイカ、メロン、トマトなどが栽培され、主に京浜地方に出荷されている。

3)県南地域
 県南地域は、十和田湖火山の噴出物である水もちの悪い火山灰質のローム層の地質をなしている。さらにやませという冷たい風が吹き込み、たびたび冷害の被害を受けることがある。
 県南地域の中心都市八戸市(人口24.9万人)は、我が国有数の水産都市で知られ、3つの漁港を持ち、一大漁業基地として発展している。昭和39年新産都市の指定を受け、工業の発展も目ざましく、セメント、化学肥料、水産加工、砂鉄鉄鋼、紙、パルプなどの工場が進出。一方、内陸部の十和田市、三沢市、五戸市、百石町などには、食品、精密機械、電気製品などの工場が発達している。
 このように、県南地域の工業発達の要因には、工業団地、工業用水、労働力などに恵まれているからである。

4)下北地域
 下北地域は本州最北端で斧の形をした半島をなしており、恐山や仏ケ浦など特異な風景をかもし出す。ヒバは県木となっているように津軽半島と同様に生育地である。ヒバは秋田のスギ、木曽のヒノキとともに日本三大美林と呼ばれている。
 下北地域の中心地むつ市(人口6.6万人)は、下北半島全域の交通の要衝である。この地域では、稲作農業、酪農、漁業、林業における第一次産業が盛んで、大畑町では水産加工、製材所の工場が発達してきた。

 なお、青森県のシンボルとして、県の花は「りんごの花」、県の鳥は「ハクチョウ」、県の木は「ヒバ」、県の魚は「ひらめ」と各々制定されている。


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