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「水」が教えてくれたこと

第31回全日本中学生水の作文コンクール
最優秀賞(国土交通大臣賞)

愛知県新城市立新城中学校
二年 白井 夏純

 毎年、「水の週間」に合わせて「全日本中学生水の作文コンクール」が行われています。平成21年度には第31回が実施されましたが、ここにその最優秀賞(国土交通大臣賞)を紹介します。
 なお、「水の日」、「水の週間」に関する情報や過去の作文作品などは、国土交通省HPをご覧下さい。
 

 「あなたたち日本人は、もっと水を大切にするべきです。」これは、私が四年前に出かけた「愛・地球博」でパキスタン人のシャーさんから直接言われた言葉です。それまで、蛇口をひねると安全な水が出るため、水について深く考えることもなく過ごしてきた私にとって、強く印象に残る言葉でした。

 「水」を意識しながら本や新聞を読むと、世界各地では、砂漠化や干ばつで水不足の状態にあり、トルコ、シリア、イラク間などでは水をめぐる紛争まで起きていると分かり驚きました。日本では大丈夫なのかと不安になり、地域で開催された勉強会に参加しました。

 私が住んでいる新城市でも、昔は豊川の川幅が狭いことから水不足や洪水を繰り返し、住民はとても困っていたそうです。そこで宇蓮ダムを造り、山に降った雨をダムに貯め、水を有効に利用できるようにしました。また、二〇〇一年には、将来大きな地震が起きた時も水に困らないように、地震に強い大島ダムが造られました。さらに「水の貯金箱」とも言える調整池を造り、豊川の水が増水した時には水を入れ洪水を防ぎ、不足した時には水を出し川に流れる水の量を調整し、ダムから流す水の量を少なくする工夫をしています。

 このようにして流される豊川の水を浄水場で飲料水にし、各家庭に送られてくるのです。私たちが降水量に関係なく一年を通して安心して水を利用できるのは、こうした二重、三重の備えと、常にそれを守る人たちの努力があるからこそなんだと実感しました。そして一滴の飲み水ができるまでには、多くのエネルギーと時間がかかることも知らず、当たり前のように、思いっきり蛇口を開き、水を使っていた自分が恥ずかしくなりました。

 また、新城市を流れる豊川の水は、飲料水ばかりではなく豊川用水を通り、遠く離れた渥美半島や蒲郡に運ばれて農業や工業に広く使われています。水は、私たちが毎日食べる米や野菜を育てたり、便利な自動車などを造り出したりする時にも大量に使われているのです。今の日本の豊かな生活は、いろいろな場面で水に支えられていることに気づきました。

 私は、大島ダムでお話を聞いた時、水面に緑のダムである森林が映る穏やかで美しい景色を見ました。流せば洪水を引き起こす大量の水をこうして蓄えることで、貴重な資源となり人々の生活を潤していると知りました。そして、目の前に広がる深い緑色をした水が、とてつもなく大切な財産のように感じられ、この水を守るために私でもできることはなんだろうと思いました。

 この体験がきっかけで私は、さまざまな環境活動に参加したり、エコ生活に取り組んだりしています。その中で、「水を大切に使う」という言葉には二つの大きな意味があると思うようになりました。一つ目は、節水に心がけ水の使用量を減らす工夫をすることです。私は、毎年七月に環境家計簿をつけていますが、家族で節水のアイデアを出し合い、それを実行し一年かけて約二十四%の節水に成功しました。二つ目は、使う水を汚さない工夫をすることです。私の母校の舟着小学校の生徒が毎年豊川の中流域で、水生生物による水質調査を行います。日本一の清流に選ばれたことがある豊川の水ですが、下流に行けば行くほど、すこしずつ汚れていて残念です。原因は主に生活排水です。私たちが川や海を汚すことで、絶滅する生物がいることや、私たちも汚れた水の循環の中で生活しなければならなくなることを忘れてはいけないと思います。

 「水」は、地球上の生物にとって、必要不可欠であり、限りある大事な宝物と言えます。私は、コップ一杯の水も、得ることが難しい国々の人たちの苦労を考えながら、これからも「水」を大切に、大切に使っていきたいです。自然の恵みときれいな水を支えているすべての人に感謝の気持ちを持って。

[関連ダム]  宇連ダム  大島ダム
(2009年8月作成)
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