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◇ 1. ダムの堆砂率

 ダムは治水、利水の役割をもっており、日本の経済発展や国民の生活に寄与している。しかしながら、その反面、ダムは河川を横断する構造物であるため、一般的に堆砂と水質と環境の問題が起きる可能性を持っている。この三つの問題はダムにとってはアキレス腱といえるであろう。

 100年の耐用年数で造られたダムが、わずか数十年足らずで土砂の堆積が進み、効果が薄れてくるダムも出現している。また、これらのダム堆砂で、河口の海岸に土砂が供給されず、海岸侵食が進む一要因ともなっている。天竜川では階段状にダムが造られ、中田島の砂丘地帯が後退している。

 「電力土木」2004年9月号によると、平成15年12月31日現在で、総貯水容量内堆砂率80%以上のダムは次のように記されている。


 1) 千頭ダム大井川97.7%(昭和10年10月竣工)
 2) 大間ダム大井川90.7%(昭和13年2月竣工)
 3) 春別ダム静内川92.0%(昭和38年10月竣工)
 4) 黒又ダム信濃川89.5%(昭和2年2月竣工)
 5) 西山ダム富士川86.9%(昭和32年4月竣工)
 6) 小屋平ダム黒部川85.1%(昭和11年10月竣工)
 7) 平岡ダム天竜川84.8%(昭和27年1月竣工)
 8) 石徹白ダム九頭竜川84.1%(昭和43年5月竣工)
 9) 雨畑ダム富士川83.6%(昭和42年2月竣工)
 10) 岩知志ダム沙流川83.9%(昭和33年7月竣工)
 11) 黒部ダム鬼怒川80.9%(大正元年12月竣工)
 12) 泰阜ダム天竜川78.5%(昭和11年1月竣工)

 このように堆砂が進んだダムは、竣工後半世紀近く経た電力用ダムに多く見られる。


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