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◇ 10. 佐世保市水道の現状

 わが国は、明治以降各海軍区の警備、防御、所管の出征準備に関することを司り、所属部隊を指揮監督する海軍の機関として、鎮守府4ヶ所を横須賀、呉、佐世保、舞鶴の各軍港に設置した。

 長崎県佐世保に第3海軍区佐世保鎮守府が開庁したのは明治22年であった。当時3,400人の寒村佐世保村は一躍5万人余りの都市に膨張し、明治35年市政を施行した。さらに佐世保市は順次周辺の町村を合併し、30万人の都市に発展、昭和20年8月太平洋戦争の敗戦によって人口は14万人に激減した。現在(平成20年7月)25万3,000人を擁している。

 このような人口の急速な変動は佐世保市の水道事業の拡張と重なるが、それはダム建設の歴史でもあった。次のようにその歴史を追ってみた。

明治33年 海軍による岡本ダム竣工
  41年 海軍による山の田ダム、浄水場竣工
大正15年 山の田第2浄水場竣工
昭和3年 海軍による転石ダム竣工
  15年 佐世保市による菰田ダム竣工
  19年 海軍による相当ダム竣工
  20年 海軍、佐世保市の二本立ての水道運営が市に一本化
  31年 川谷ダム竣工
  42年 集中豪雨
  43年 下の原ダムの竣工
  44年 広田浄水場第1期工事竣工
  63年 転石ダム浚渫
平成6年 給水制限
  7年 南北水系融通配水池施設竣工
  8年 川棚川からの暫定豊水取水施設完成
  9年 「水を大切にする日」を創設
     小森川取水安定施設完成
  12年 山の田ダム堤体改修
  18年 下の原ダム再開発事業竣工

 なお、主要水道施設位置と配水区域は図の通りである。
 水道年間約3,000万m3の配水量における水源は、地下水や大河川がないため、小河川を上流で締め切ってダムに貯水しているが、それでも不足するので、隣接町の川から取水している。水源はダム貯水分52.9%(川谷ダム14.5%、菰田ダム8.5%、下の原ダム11.7%、山の田ダム7.2%、相当ダム6.8%、転石ダム4.2%)、河川水46.2%(相浦川ほか33.2%、川棚川13%)の内訳となっている。



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