; ; ; 世界のダム マウンテンデルダム Mountain Dell - ダム便覧


世界のダム 全項目表
 
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マウンテンデルダム Mountain Dell


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 アメリカのユタ州Salt Lake City の10マイル東にある、上水用の貯水池を形成するためのダム。16のアーチを持つマルティプルアーチダムで、かつバットレスダムという珍しい構造を持つ。
 建設は、2段階で行われた。最初、1914年から、11のバットレスと11のアーチで構成される堤高32mダムが建設され、1917年に完成。その7年後、容量を増やすため、12mかさ上げするとともに、5のバットレスと5のアーチを追加し、1925年に完成。この結果、堤高44m、堤頂長172mの16連のマルティプルアーチダムとなった。
 Salt Lake City 地域の上水道の主要な水源となっている。
このごろ マルティプルアーチでバットレス
究極のダムを作った男
国/河川 US[アメリカ]/  
完成年 1925
ダムタイプマルティプルアーチ・バットレス
機能W
堤高/堤頂長/堤体積44m/172m/千m3
リンク Wikipedia・Mountain Dell Dam

【注】
データは、「WORLD REGISTER OF DAMS 2003」を基礎として、「Water Power & Dam Construction Yearbook 2003」、これら書物の新しい年版、雑誌の記事、ネット上の情報などを元に修正・補充して作成したものですが、資料によって情報内容が異なることがしばしばあり、正確性には限界があります。なお、ダムタイプについては、日本の型式分類の概念と必ずしも一致しない点がありますので、注意が必要です。

機能の略号は次の通り。
  C : Compensation
  F : Flood/River controll
  G : GroundWater recharge
  H : Hydro power
  I : Irrigation
  M : Multi-puroose
  N : Navigation
  O : Other
  P : Pollution controll
  R : Recreation
  T : Transfer
  TA : Tailings
  W : Water supply



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マルティプルアーチでバットレス

 
 世界のダムの写真を探していたら、珍しいダムの写真を見つけた。世界は広いもので、何と、マルティプルアーチでバットレスという構造。その名は、マウンテンデルダム(Mountain Dell Dam)。

 アメリカのユタ州Salt Lake City の10マイル東にあって、上水道用の貯水池を形成するためのダム。1925年に完成。堤高44m、堤頂長172m。16連のマルティプルアーチダムで、アーチをバットレスが支える。

 Google Maps でも見ることができます。


大きな地図で見る

 以下写真をご覧下さい。








(2008.10.30、Jny)


■ このごろ → このごろ目次
究極のダムを作った男

 
ダム便覧の「このごろ」にこんな記事が掲載されていた。

《このごろ》マルティプルアーチでバットレス - ダム便覧 

 世界のダムの写真を探していたら、珍しいダムの写真を見つけた。世界は広いもので、何と、マルティプルアーチでバットレスという構造。その名は、マウンテンデルダム(Mountain Dell Dam)。

リンク先の写真を是非ご覧頂きたいのだが、小径のアーチをバットレスで支える構造。上流からみても下流からみてもかっこいい。ああ、実物見たいダムがまた一つ…。

で、このページにプレートの写真があるのだが、「DESIGNED BY JOHN S. EASTWOOD」と書いてある。設計者の名前なんか書いてあるのか。へー、誰だろうと検索してみたらWikipediaに記事が有った。

John S. Eastwood - Wikipedia, the free encyclopedia 

John S. Eastwood (1857, Minnesota - 1924, California) was an American engineer who built the world's first reinforced concrete multiple arch dam on bedrock foundation at Hume Lake, California, in 1908.

なんと、世界初の鉄筋コンクリート製マルチプルアーチダムを設計した人らしい(Hume Lake dam)。しかも1908年って戦前。まだ、近代的なダムが作られ始めて間もない時期、設計方法とかもきちんと確立されたとはいい難い時期みたい。

この名前で検索するとこんな本が出てくる。

Building the Ultimate Dam: John S. Eastwood And the Control of Water in the West 

作者: Donald C. Jackson
出版社/メーカー: Univ of Oklahoma Pr
発売日: 2005/09/30
メディア: ペーパーバック

Building the Ultimate Dam-究極のダムかー。ああ、どんな内容なんだろう。この本、日本で出版されないかな。

で、前述のWikipediaの記事を読んでいくと最後にこんな記述がある

He was not an armchair engineer, and he spent much of his life in the field working on practical problems of water control.

生涯、現場に身を投じたエンジニア。しびれるなー。

ちなみに、日本に2基あるマルチプルアーチダムの一つ、豊稔池ダムは1926年、マウンテンデルダム竣工の翌年に着工している。

豊稔池ダム - Wikipedia 

多連式アーチダムとしては、宮城県仙台市の大倉ダム(二連式)を含め、全国に二つしかなく、当時米国で最新技術あったマルチプルアーチが適用されるなど土木史、ダム技術史を語る上においても貴重な建造物である。

豊稔池ダムの影にマウンテンデルダムが有って、John S. Eastwood が居るということでしょうか。

(2008.11.6、takane)