ラビリンス 〜アースダムにも目を向けて〜
山形県上山市に上山市土地改良区が管理する菖蒲川ダム、生居川ダム、松沢溜池の3基のダムの他13ヶ所のため池が有ります。
今回はその中から昨年取材見学をしてきました、松沢溜池について。
松沢溜池は、最上川水系満開川の最上流部、1916年に築堤着手し、1921に完成した灌漑用アースフィルダムです。
この松沢溜池は現在、土地改良事業(農村災害対策整備)により改修工事が行われています。
松沢溜池は築堤後90年余り経過していることから、堤体の経年劣化による本体の波浪浸食・変形及び余裕高不足、また、漏水量が許容値を超えている事や、洪水吐の老朽化が著しく能力不足、取水施設の機能維持が困難なためなどの理由で早急な改修工事が必要となり現在に至ります。
この改修工事で諸元等に変更があり、以下のようになります。
形式 均一型フィルダム ⇒ 傾斜遮水ゾーン型フィルダム 堤高 21.0m ⇒ 23.9m 堤頂長 209m ⇒ 213.0m 堤体積 95千m3 ⇒ 165千m3 総貯水量 386千m3 ⇒ 356千m3 有効貯水量 386千m3 ⇒ 354千m3
このダム特徴として、2段の減勢工を含む全長約227mに及ぶ導流部と、ラビリンス堰側水路型の洪水吐です。 これまでの洪水吐では流量不足でしたが、ラビリンス堰にすることにより対応しました。
1号減勢工
1号減勢工より2号減勢工導流部
ラビリンス型洪水吐 H29年3月末完成予定で改修工事も残りわずかになってきました。H28年春からは貯水が開始されていて、あとは天端の舗装工事や周辺工事などを残す状態となっています。
取材にあたりご協力いただいた上山市土地改良区様、工事関係者様ありがとうございました。
今後老朽化などにより改修されるアースダムなどがあると思いますが、今回のように設計洪水量の変更に対し、地形の関係で変わった形の洪水吐になったりするかもしれません。 みなさんもぜひアースフィルダムに目を向けてはいかがでしょうか。
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(2017.1.12、めんたつ)
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