全項目表
 
ダム番号:3035
 
矢那川ダム [千葉県](やながわ)



ダム写真

(撮影:Dam master)
114324 KAキ
150902 Dam master
186311 柳二郎
185891 田中創
  →フォト・アーカイブス [ 提供者順 / 登録日順 ]
どんなダム
 
かずさアカデミアパークの雨水流出増対策を兼ねる
___ 矢那川ダムは、木更津市街を流れる矢那川の治水対策と、かずさアカデミアパーク事業の開発に伴う雨水流出増対策を兼ねた治水ダムとして計画されたもの。かずさアカデミアパークに隣接する。
鎌足桜
___
矢那川ダム公園に鎌足桜が植えられている。鎌足桜(かまたりざくら)は、この地域に古くからあった桜で、ヤマザクラ系の八重咲き。
[写真](撮影:柳二郎)
堤体下流面が公園
___ アースダムの下流面は、天端近くを残して下部は盛り土がされ、ダムと下流が一体となった公園になっている。どこまでが堤体なのか分からない。芝生が植えられ、桜などの木も多数植えられ、ベンチなども整備されている。春にはカマタリザクラを始め八重桜が咲き誇る。
[写真](撮影:Dam master)

市民元旦マラソン大会
___ 木更津市は、矢那川ダム周辺で、平成16年から、「市民元旦マラソン大会」を開催している。平成18年は436人が参加。
シリーズ ダム百選 投票から
第 22 回  『 春に行きたいダム 』
■ ダムの堤体自体が公園になっており春にお弁当を持っていくと行くと心地よいと思います。 (がおー)
テーマページ ダムの書誌あれこれ(46) 〜千葉県のダム〔中〕(片倉、郡、矢那川、保台、山内)〜
このごろ 矢那川ダムのカマタリザクラ
左岸所在 千葉県木更津市大字矢那字向田高  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯35度20分45秒,東経139度59分06秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  (9km)

河川 矢那川水系田高川
目的/型式 FN/アース
堤高/堤頂長/堤体積 29.3m/284m/600千m3
流域面積/湛水面積 11.4km2 ( 直接:2.4km2 間接:9km2 ) /16ha
総貯水容量/有効貯水容量 1720千m3/1600千m3
ダム事業者 千葉県
本体施工者 鹿島建設・フジタ・若築建設
着手/竣工 1989/1998
ランダム情報 【ダム工事年表】仮排水路(1993.2〜1994.5) 本体掘削(1993.4〜1994.10) 本体打設/盛土(1994.10〜1997.3)
【ダムカード配布情報】2024.8.2現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver1.1
○@千葉県亀山・片倉ダム管理事務所 A亀山観光案内所やすらぎ館 @8:30〜17:15(土・日・祝日および年末年始の配布はしておりません。ただし、亀山ダムにお越しの方に限り、郵送申込による配布を行っています。詳細はホームページをご確認ください。)A10:00〜15:00(水曜定休(祝日は除く)および年末年始の配布はしておりません)
ダムカード画像コレクション
矢那川ダム Ver.1.0 (2008.11)
[協力:安部塁]
リンク damsite・ダムデータ
ザ・レイクチャンプ・矢那川ダム
ダムマニア・矢那川
参考資料
■矢那川ダム周辺環境整備計画について /神原克明
【ダム日本 No.599(H6.9)】
■矢那川ダムの設計・施工計画について / 田中茂治
【ダム日本 No.610(H7.8)】
■【カラーグラビア】写真で見る矢那川ダム
【ダム日本 No.645(H10.7)】
関連書籍 ■アイドールエンジニヤリング 『矢那川ダム工事誌』 アイドールエンジニヤリング 2000
諸元等データの変遷 【06最終→07当初】左岸所在地[木更津市矢那→木更津市大字矢那字向田高] 堤体積[680→600] 流域面積[11.7→11.4]
【08最終→09当初】堤高[29.3→29]
【09当初→09最終】堤高[29→29.3]
【12最終→13当初】本体施工者[鹿島・フジタ・若築→鹿島建設・フジタ・若築建設]

■ このごろ → このごろ目次
矢那川ダムのカマタリザクラ

 
 千葉県の矢那川ダムは堤高29.3mのアースダムだが、その下流面が広範囲に土盛りされていて、広々とした斜面が公園として整備されている。芝生が植えられ、樹木が点々とあり、ベンチなどもある。そこに、カマタリザクラ(鎌足桜)と言う珍しい桜が植えられているというので、見に行ってきた。


ダムの下流は広い公園になっている

 堤体下流の公園に行ってみると、地元ではこの桜は結構有名なようで、説明板なども整備されている。堤体上に桜があって、写真を撮っている人がいる。このカメラマンさんに話しかけると、カマタリザクラの写真を撮っているんだ、昨日も来たが風が強くてよく撮れなかった、今日はいい天気でいい写真が撮れそうだと。ところが、その木を見てみると、どう見ても代表的な八重桜であるフゲンゾウ(普賢象)にしか見えない。フゲンゾウは、二本の雌しべが突き出て先端がそり返っているのが特徴で、それが象に乗った普賢菩薩の象の鼻に見えるので、この名があると言われる桜だ。カメラマンさんにこれはカマタリザクラではないのではと話すと、いや、この木がカマタリザクラで、以前はこの木の所に表示があったという。カメラマンさんは、高倉観音に原木があるなどと、親切に教えてくれた。


駐車場の車止めにもカマタリザクラのデザイン

説明板

写真を撮っている

雌しべが2本あるし、どう見てもフゲンゾウ

 それで、見回すと、説明板の近くにも桜の木があった。どうもそちらがカマタリザクラのようだ。


カマタリザクラ

 このあたりは旧君津群鎌足村だった。藤原鎌足がここで生まれたと言ったような、藤原鎌足に結びついた伝説がいくつかあるようだ。桜の名前も、この鎌足に由来するのだろう。カマタリザクラは、「祖株」が近くの高倉観音にある。祖株はもともと木更津市矢那の進藤家にあったが、それを移植したもの。今各地にあるカマタリザクラは、この祖株から接ぎ木によって増殖されたものだ。山桜系の品種とされ、白色あるいは淡紅白色の八重咲き、花弁は30枚ほど、下垂して咲く。葉化した雌しべが曲がって鎌形になる、あるいは花弁の先端が屈曲して鎌形になるとも言われている。行ったときはまだ咲き始めで、開花した花が少なかった。


白っぽい色で八重咲き

花によっては雌しべの先端が鎌形に曲がっている

 公園には桜が何種類か植えられていて、この時期、ソメイヨシノはだいぶ前に散り、山桜も散りかけて、主に八重桜が咲いていた。中で目立ったのは赤い色の八重桜で、表示はないがたぶんカンザン(関山)だろう。


鮮やかに咲くカンザン

 せっかくなので、祖株のある高倉観音に行ってみた。すぐ近くのお寺で、正式には、平野山高蔵寺という。観音堂の裏にカマタリザクラの祖株が植えられていた。あまり大きな木ではない。まだ咲き始めだ。説明によると、木更津市指定文化財で、開花時期は4月20日〜25日。


高倉観音、門を入ると正面に観音堂がある


観音堂の裏にある祖株は意外と小さい

ダムにあるものと同じに見える

 この祖株から各地に広まって、国会議事堂前の憲政記念館、大阪造幣局の通り抜けなどにもある。かつて、通り抜けに行ったときの写真を調べてみたら、カマタリザクラの写真があった。


大阪造幣局「桜の通り抜け」にあるカマタリザクラ

大阪造幣局「桜の通り抜け」にあるカマタリザクラ

 矢那川ダムのカマタリザクラはたぶんもう、散ってしまっているだろう。また来年満開の時期に合わせて見に行きたい。あのカメラマンさんもいるだろうか。

(2013.4.24、柳二郎)

→ ダム便覧の説明
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