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千歳第一発電所取水堰堤
(ちとせだいいちはつでんしょしゅすいえんてい)

ダム写真

(撮影:だんぼさん)
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 王子製紙苫小牧工場で使用する電気を発電するために建設された発電所の取水堰堤。千歳川最上流部にあり、そのすぐ上流には支笏湖。
 重力式だが、補助的にバットレスが付いている。日本最古のバットレスとも言われるようだ。
テーマページ ダム温故知新 《第20回》 千歳第一発電所取水堰堤を訪ねて
所在地 北海道千歳市 [地図]
諸元等 河川:石狩川水系千歳川
目的:P
型式:重力式コンクリート
堤高:6.4m
堤頂長:70m
完成:1910年
リンク Dam's room・千歳第一取水堰堤

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ダム温故知新
《第20回》 千歳第一発電所取水堰堤を訪ねて

写真・文 安河内 孝

当ダムは、王子製紙苫小牧工場で使用する電気を発電するために建設された発電所の取水堰堤である。残念ながら高さ6.4mであることからダムには認定されていない。重力式だが、補助的にバットレスが付いている。日本最古のバットレスとも言われるようだ。

王子製紙は、初代王子製紙時代の1910年(明治43年)に完成した苫小牧工場に電力を供給するため、石狩川水系と尻別川水系に多数の水力発電所を建設、工場操業の原動力とした。特に開発が進められたのが、支笏湖を水源とする千歳川である。その理由は、不凍湖である支笏湖の豊富な水量と千歳川の急流が水力発電に適し、また工場予定地から近距離であるので当時の技術でも送電が可能であったこと、さらに北海道炭礦鉄道が敷設されていたことで物資の運搬が可能であったためである。なお、千歳発電所から供給される電力は、西日本の電力周波数と同じ60Hzである。これは1910年(明治43年)の千歳第一発電所建設当初、王子製紙が導入した発電機が60Hzだったことに由来する。現在では千歳川系統と呼ばれる千歳発電所群(千歳川に5か所、漁川に1か所)が苫小牧工場を支えている。平成19年度に、土木選奨土木遺産と経済産業省の近代化遺産として選定されている。


(これは、「月刊ダム日本」からの転載です。)
(2014年6月作成)


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