昨年(2008年)8月、タクシー乗務員をしていた頃、JR某駅(千葉県)で、四国から引越して来たというお客様を、お乗せした。 こちらに移ってきて、まだ1ヶ月足らずという。 言葉のアクセントが、関西系なのだが大阪・京都とちょっと違うので、三重か四国辺りだろうと予想していたが、香川県の人だった。
梅雨明けから、ほとんど降雨が無いので水不足だと嘆いていた。 渇水になると注目される「あの早明浦ダム」は、四国4県の水瓶である。
マスコミ報道が悪いのだろうが、干上がった写真を見る機会しかないので、私は、早明浦ダムといえば「渇水」というイメージしかなかった。 しかし、長年香川県に住んでいた乗客曰く、「今、貯水率が15%しかないんですよ。でもね、あのダムが無ければ毎年干上がっちゃてますよ」と・・・地元の人は、無駄どころか有難いダムであり感謝しているという。
マスコミが「役に立たないダム」というイメージを植え付けている(故意か過失かわからないが)ものだから、現場を知らないと誤った情報に踊らされてしまう事になりかねない。 報道に携わる人は、真実を伝えて欲しいと願っています。また、その受け手は、情報を鵜呑みにせず、自分なりに調べて少しは疑う事もした方が良いと思います。
たとえば・・・・ 地球温暖化によって極地の氷が融けるという報道で、参考映像として"氷河が崩壊する場面"が良く使われるが、あれは氷河の最先端であり、上流部から押されればクレバスを境にして崩落するに決まっている。それを"地球温暖化が原因"というイメージに結び付けてしまうとは、情けないメディアだよ。(注:地球温暖化は現在進行中であるという報告があるのは事実であり、否定はしません)
ダム便覧を読んでみると、早明浦ダムは西日本一の貯水量を誇る巨大ダムとある。 有効貯水量2億8900万トンという小河内ダム(また小河内かぃ)の1.5倍近い貯水量を誇っているのに、何故毎年のように渇水になるのだろう?
1. 利水権の割当が偏っている? 2. 通常の運用が悪い? 3. 流域人口が増えた? 4. まさか、ダム建設地選定を間違った?
正確な事は解りませんが、貯水率といっても、飲料用に使える利水に対しての割合だと思うので、たとえ貯水率0%になったとしても、農業用・工業用・発電用の水は残っているでしょうから、それらを飲用水に 転用するなど各方面と調整しながら運用していくのでしょう。
吉野川水系の住民は、早明浦ダムの重要性(いや、水の有難さ)を認識しているようですから、渇水時でなくても節水に努めていることでしょう。
早明浦ダムで渇水があるといつも、災害が起きない程度の雨で貯水率が回復するのを祈っています。
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