9月の暑い日曜、神奈川県の道志川に鮎釣りにでかけた。釣り場の直上流に高さ5mほどの取水堰が造られており、台風9号の大雨による増水で堰をオーバーフローする濁流は、水しぶきと轟音を谷間にこだまさせていた。釣果のほどはともかく、勢い切って目前に迫る滝のような流れは、暑い陽射しの中で実に爽快で、まさに天然のマイナスイオン効果である。・・・と思っていたが、このマイナスイオン効果、じつは諸説紛々なのである。
マイナスイオンを謳う商品がこのごろやたらと多い。マイナスイオンが不足すると「酸化」が起こり、疲労、老化などの要因となり、逆に充足すれば若返り、爽快になるとのことだ。
ところがこのマイナスイオン効果を調べてみると、科学的に実証されていないとする説があった。例えば滝つぼでの爽快感はマイナスイオンの働きによるという話があるが、これは単に、飛び散った細かな水滴の気化熱による涼しさであるとしている。商品に関しても国民生活センターは「消費者の中には、マイナスイオンの効果を期待するもののその効果の実態はつかみにくく、分からないという人も多かった。」(抜粋)と公表している。また、東京都生活文化局が発表した「科学的視点からの検証」では、「マイナスイオンの存在自体を否定したり、全てのマイナスイオン商品の効果・性能を否定したりするものではありません。」と前段で断り書きを入れた上で、効果や性能に関する表示に客観的実証が認められない点を指摘した。このようにその効果は科学的には解明されていない状況にあるが、商品の方は未だに不思議と売れているらしい。
以前に宮ヶ瀬ダムでの観光放流を体験した時、ダムは巨大なマイナスイオン発生器のように思えた。ネットで見ても多くの方々が似たような思いを持っているようだ。マイナスイオン効果の有無はさておき、放流の莫大なエネルギーに出会うと、爽快感抜群で、心も体もリフレッシュすることが実感できる。放流を体験できるダムが近くにある方は是非お出かけになってはいかがでしょう。
参考までに観光放流を体験できる主なサイトはこちらです。黒部ダム、宮ヶ瀬ダム、五十里ダム、鳴子ダム ほかに放流シーンの写真と動画です。
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(2007.10.5、H2O)
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