平成28年3月16日、浅瀬石川ダムではまた一つ新たなプロジェクトを始動しました。 おそらく青森県民の多くの人が知らない、日本で最初に建設に着手された多目的ダム(FAP)の沖浦ダム。完成こそ戦時中のことで最初とはなりませんでしたが、全国に誇る事のできるダムです。 そして、浅瀬石川ダムの建設に伴い、多目的ダムとしての機能は無くなりましたが、今は貯砂ダムとしての機能を担っています。
完成から70年目の昨年に、沖浦ダムの堤体について調査しようとプロジェクトが動き出しました。 資材も物資も乏しい時代に建設されたダム。浅瀬石川ダムの建設に伴い洪水吐は撤去されていますが、その堤体の多くは当時のまま残る土木的遺産の価値を秘めた貴重なダムです。 そこで、今年から当浅瀬石川ダム管理所と東北技術事務所と一体となり、沖浦ダムの健全度調査を開始します。
調査に先立ち、合同で現地において確認しました。 沖浦ダムの天端高はEL185.0mと浅瀬石川ダムの洪水貯留準備水位の0.5m上です。 水通し断面部分は、EL177.5mと堤体の全容を確認できる期間は限られます。 今後、東北技術事務所において、具体的な試験計画を練り、予定では9月以降に沖浦ダムでコアリングにより堤体を削孔し、強度試験などを行う予定です。 この後も、随時情報提供していく予定ですが、機会がありましたら是非お越し頂ければと思います。
事前調査の様子(3月16日)
目にする機会の多い「沖浦ダム」の姿(昭和62年7月頃) 写真左に沖浦ダム改良工事前の堆砂除去の為の重機が見えます。 この良く目にする写真の沖浦ダムですが、昭和39年〜40年に行われた第2期改良工事後の写真です。 この第2期改良工事ですが、現在で言う「施設改良工事」です。
青森県河川砂防課さんからお借りした写真 こちらが、完成当初の形のままの沖浦ダムです。 なんとゲート室は木造。
初期の沖浦ダムの姿(現役管理中の昭和39年頃撮影)
|