秋田県湯沢市にある皆瀬ダムへ行ってきました。 国道398号から案内標識に従えば迷うことなく到着できます。
予約を入れておいたので、事務所の2階で概要説明を聞くところからスタート。 この事務所では、雄物川水系、皆瀬川の“皆瀬ダム”と、すぐ下流にある“板戸ダム”を管理している、とのこと。
皆瀬ダムは1957年着工、1963年竣工、当時の建設省が建設し秋田県が管理していて、石淵ダム、野反ダムに次いで全国3番目にできた“コンクリート表面遮水壁型ロックフィルダム”だそう。 この“初期型のロックフィル”は全国的に見ても少ないそうです。 岩手宮城内陸地震、東日本大震災などといった地震も経験しましたが、致命的となるような大きな被害は無かったそうです。 しかし、竣工から53年が経過しているので、さすがに老朽化は避けて通れないようです。 この日は、気象観測装置か何かのメンテナンス作業が入っているようでした。 色々と話を伺っていてビックリしたのが“推砂”でした。 現在51%くらいとの事、本体寿命100年としても53年目で51%とは立派なものです。 設計当事、現場の地形や地質を十分に調査し知り尽くした“職人”のような方が居たのでしょうか?
次はいよいよダム見学。 事務所から車庫脇の階段を降りて行くと道路に出ます。 そのまま天端に繋がり、川向に渡っていく事ができるようになっていました。 時々、車が通るので写真撮影には注意が必要です。
| | 所長さんの後をついていきます。 |
ゲート手前の欄干に「裏側にスズメバチの巣あり」の注意看板が!気をつけましょう。 他にも“カメムシ”(秋田では“あねこむし”と言うそう)が多数・・・、 たまに自分に向かって飛んで来るものも・・・! 冬ごもりの準備でしょうか・・・?
ゲートでは、クレストゲートを覗き込んでから反対側に移動・・・ っと、ここはオリフィスでした。
コンクリートの色がイイ味を出していますね。
コンクリート表面遮水壁型として建設されたものの、クラック等の不具合もあり、 後に、アスファルトフェイシングで補修したそうです。
でもアスファルトは熱に弱いために、気温上昇で緩み、ズレ落ちていってしまうそうです。 冷却用に、ダム湖の水を汲み上げて散水するスプリンクラーも設置されていました。 確かに、下のほうでヨレヨレになっている所がありましたが、こんなにズレ落ちるものなのですね。機会があれば、真夏の冷却散水も見てみたいです。
ゲートが良く見える所と案内されたのがココ、貯水池側ITVカメラポールの位置。 (通常は立入禁止) 操作室のモニターからも、これくらいの画角で見えている・・・ハズ。
ダムカードについて伺ったところ、皆瀬ダムでは今年4月から配布を始め、350枚くらい 配布したそうです。 (2016年10月3日の時点)
また、来年春頃からは秋田県内、全ての県ダムで配布を始める予定らしいです。(取材時は来春から配布予定とのことでしたが、11月1日から配布開始したようです) ということは、ここ皆瀬では板戸も管理しているので2枚という事になりますね! 来年が楽しみです。
最後になりましたが、対応していただいた所長さんはじめ職員の皆様、大変ありがとうございました。
ダム管理事務所の近くに“ダムの茶屋”という食堂があったのですが、この日は臨時休業の札が出ていました。稲庭うどん、残念。
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