2016年12月4日、大崎市鳴子スポーツセンターで行われた、鳴子ダム選奨土木遺産認定記念式典に参加してきました。
会場内には様々な資料などが貼り出されていて、待ち時間のうちに見学。 過去には映画の舞台にもなったんですね!(へぇーつ。)
パンフレットを要約すれば、 複雑なカルデラ地形に、日本の技術者だけで建設した初の本格的100m級アーチ式コンクリートダム(付帯する鳴子発電所も含む)。とのこと。 ※ 技術的特徴として 1日本の技術者だけで建設した最初のアーチ式コンクリートダム 2パイプクーリング工法の採用 3洪水放流部の特殊設計 4斜坑トンネル洪水吐き 5岩盤の補強特殊処理 とあります。
第一部 選奨土木遺産認定証と銘板授与式 第二部 宮島 咲氏の記念講演(演題:ダムを利用したまちおこし) ・鳴子ダムカレー・なる子ちゃんこ鍋等の試食 ・現地見学会(堤体下からダムを見上げよう、鳴子発電所) という豪華なメニューが揃ったためでしょうか? 天候にも恵まれ、名実共に素晴らしい記念式典の1日となりました。
第一部 オープニングセレモニーには、地元に伝わる「大崎市指定文化財 鬼首神楽」の演舞がありました。 授与式が始まり、主催者の「鳴子まちづくり協議会 高橋鉄夫氏」、認定者の「土木学会東北支部幹事長 渡邊泰也氏」の挨拶の後に、認定証が授与されました。
その後、「大崎市長の祝辞」、「東北大学大学院准教授 後藤光亀氏」から受賞経緯の解説と続き、最後に「鳴子温泉地域づくりネットワーク 高橋鉄夫氏」の受賞者挨拶で閉式となりました。
第二部 お待ちかね、宮島 咲氏の記念講演の始まりです。 演題は「ダムを利用したまちおこし」、お硬い内容かと思ったのですが・・・
とても解り易くて面白いトークとスライドショー、体を張った解説も飛び出すなど、会場内の雰囲気も和みモードでした。
昼食は、「鳴子ダムカレー」(ミニVer?)、「宮城野部屋直伝・なる子ちゃんこ鍋」、「そばだんご ぜんざい(鬼首カルデラ風)」の3点の試食が準備されました。
午後は、希望者のみ100名限定の現場見学会。 マイクロバス2台ずつ、ダム下と発電所のグループに分かれての移動です。 ダム下へは前回と同じ経路での進入なのですが、今回は本当に直下まで乗り入れました。 前回見つけられなかった「仮排水トンネル跡」らしき遺構も見る事ができてラッキー? と思いながら現地到着。降車したら早速、ダムカードを頂きビックリ!
土木遺産認定、Ver2.0、今日から配布開始したとのこと。 職員さんの説明の後に直下へと進んで行くと、またまたビックリ!! デフレクタ右岸側にステップが設置されているではありませんか! (後で伺ったところ、記念式典に間に合わせたとか。管理所さん、脱帽です。) それでは早速、デフレクタ越えに挑みます!!
まさか?まさかの直下、スロープに昇って、へばりついて、頬をスリスリして? パンフレットに偽りナシ!文字通り「ダム堤体下から見上げよう!」です。
参加した方の「ここまで来れるんだぁ」、「すごぉーい!」といった興奮ぎみの声があちこちから聞こえてきます。ま、私もなんですけど。
時間いっぱい堪能した後は、鳴子発電所に向けてバス移動。
東北電力鳴子発電所の職員さんの解説を聞きながら、展示室、発電機などを見て回ります。
発電機室の床がタイル張りだったのですが、油脂などで汚れても掃除しやすいように?との建設当時の配慮だったのでしょうか?今の感覚では、ある意味「オシャレ」かもしれませんね。
外に出てきました。間近で見る66KV送電設備は迫力満点、ビリビリきます!! 山の斜面にあるサージタンク、よく見えなかったけど雰囲気は何とか分りました。 脇の鉄塔は鬼首地熱発電所からの送電線とのことでした。
帰りの玄関先では、職員の方の手作り「発電所カード」をいただきました。 今日の見学会のために作ったそうです、ということは今日だけの限定配布となるのかな?
今回いただいたダムカードと発電所カード
来年、還暦を迎える鳴子ダムですが、「更に多くの人が興味を持って訪れていただけるような仕掛けを展開してほしい」と思った記念式典でした。
最後になりましたが、鳴子ダム土木遺産認定おめでとうございました。 認定に向けてご尽力いただいた“鳴子まちづくり協議会”の会長さんをはじめとするスタッフの皆様方、式典当日に携わった皆様に感謝いたします。大変お疲れ様でした。
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