全項目表
 
ダム番号:290
 
鳴子ダム [宮城県](なるこ)



ダム写真

第4回「水とのふれあいフォトコンテスト」受賞作 小坂礼雄「鳴子ダム」
061452 だい
061453 だい
025539 灰エース
025536 灰エース
D-shot contest 入賞作品   →ダム便覧トップ写真   →ダム動画   →フォト・アーカイブス [ 提供者順 / 登録日順 ]
どんなダム
 
日本人のみの手になる日本初のアーチダム
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昭和32年に完成。大規模なアーチダムとしては、昭和31年竣工の上椎葉ダムが日本で最初で、次いで古いのが鳴子ダム。日本人のみの手になる日本初のアーチダムとも。
[写真]工事中
日本初のトンネル式常用洪水吐
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薄肉アーチダムであり、堤体応力の問題から深い堤頂切り欠き部を避ける必要があったため、常用洪水吐として日本で最初の本格的なトンネル式洪水吐を採用。左岸の堤体近くにローラゲート2門を備えた呑口があり、そこからトンネルを通りダム下流に放流される。
[写真](撮影:ohba)
温泉とこけし
___ 下流にある鳴子温泉は奥州三名湯の一つ。鳴子こけしでも知られる。上流には鬼首温泉が。年間を通じて楽しめる観光地。
国定公園
___ 昭和43年に栗駒国定公園に指定された。その中で、ダム湖は鳴子温泉から鬼首温泉に通じる道仙秋サンライン沿いにある。
コイの滝のぼり
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毎年連休中に、こいのぼりがダム上空を泳ぐ。雪解け水がダムから豪快に放水されると、すだれ状の放流をバックに泳ぐさまは、「コイの滝のぼり」のように見えるとか。毎年この時期、「すだれ放流」と「コイの滝のぼり」の写真を撮ろうと、多くの人が訪れる。
[写真](撮影:安部塁)
ダム湖は「荒雄湖」
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ダムのある江合川は、上流部は荒雄川とも呼ばれ、源流は荒雄岳。荒雄湖は、秋には紅葉に包まれる。
[写真](撮影:灰エース)
シリーズ ダム百選 投票から
第 5 回  『 放流のカッコいいダム 』
■ GWに行われるすだれ放流がとても綺麗でした。時期を合わせて行かれることをお奨めします。 (31〜40歳 男)

第 17 回  『 温泉が近くにあるダム 』
■ きれいなアーチ式ダムです。
また、すぐ近くには東北有数の温泉地である鳴子温泉があります。[鳴子温泉] (うみねこの卵)


第 21 回  『 雪景色の似合うダム 』
■ 朝早くの雪が解けていない時間帯が素晴らしい。 (ユースケ)

第 30 回  『 こいのぼりが似合うダム 』
■ 鳴子ダムのすだれ放流とこいのぼりの陰影が、さながら鯉の滝登りのように映えるところ (ひぐうみ)
■ 8門ものクレストゲートから流れ出る水を滝に見立て、堤体上空にはためく鯉の姿はまさに鯉のぼりといったところです。ゲートが横並びになっているので放流している時の迫力がたまりません。ちなみに鳴子ダムのダムカードは鯉のぼりを掲げたダムの写真となっているので一見の価値ありです。
 (m2g)


第 36 回  『 ダムに興味の無い人をダム好きにするダム 』
■ 紅葉時期の鳴子ダムを訪れました。ダムを支える堅硬な岩盤の白と紅葉の赤、黄色、緑葉樹の緑のコントラストが綺麗でした。 (宇田川義夫)
テーマページ 洪水吐き拾弐景 《第八景》 鳴子ダム 〜薄肉アーチダム堤体下流面に沿って流下させる洪水吐き〜
第2・3回 「水とのふれあいフォトコンテスト」 受賞作品
(財)ダム技術センター第19回「ダムフォトコンテスト」受賞作品
第4・5回 「水とのふれあいフォトコンテスト」 受賞作品
このダムどんな人? ・・・ダムの擬人化イラスト集・・・
第2回 D-shot contest 受賞作品
ダム日和 動画集
第21回 「水とのふれあいフォトコンテスト」 受賞作品
ダムの書誌あれこれ(82) 〜北上川水系江合川鳴子ダム〜
このごろ 郵便消印に描かれたダム
これは日本初だ 〜 貸切新幹線で行く、紅葉の東北 4ダム巡り
鳴子ダムに行ってきました。鳴子ダムを下から見上げてみよう!編
鳴子ダムに行ってきました。ダム内部見学編
鳴子ダムに行ってきました。選奨土木遺産認定記念式典編
鳴子ダム『すだれ放流』見学レポート
左岸所在 宮城県大崎市鳴子温泉字岩淵  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯38度45分17秒,東経140度42分17秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  上大沢(7km)  岩堂沢(9km)

河川 北上川水系江合川
目的/型式 FAP/アーチ
堤高/堤頂長/堤体積 94.5m/215m/180千m3
流域面積/湛水面積 210.1km2 ( 全て直接流域 ) /210ha
総貯水容量/有効貯水容量 50000千m3/35000千m3
ダム事業者 東北地方建設局
本体施工者 鹿島建設
着手/竣工 1951/1958
ダム湖名 荒雄湖 (あらおこ)
ランダム情報 【ダムにいる鳥】国土交通省「河川水辺の国勢調査」(2000)
カイツブリ、ゴイサギ、ササゴイ、アオサギ、オシドリ、マガモ、カルガモ、コガモ、オナガガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カワアイサ、ミサゴ、ハチクマ、トビ、オジロワシ、オオタカ、ツミ、ノスリ、サシバ、クマタカ、イヌワシ、キジ、ヤマドリ、コチドリ、イカルチドリ、イソシギ、キジバト、アオバト、ジュウイチ、カッコウ、ホトトギス、オオコノハズク、アオバズク、ヨタカ、ハリオアマツバメ、アマツバメ、ヤマセミ、アカショウビン、カワセミ、アオゲラ、アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラ、ヒバリ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、ビンズイ、ヒヨドリ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、ジョウビタキ、トラツグミ、クロツグミ、アカハラ、ツグミ、ヤブサメ、ウグイス、オオヨシキリ、メボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキ、キビタキ、オオルリ、サレコウチョウ、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、ミヤマホオジロ、ノジコ、アオジ、クロジ、アトリ、カワラヒワ、マヒワ、ベニマシコ、ウソ、イカル、シメ、スズメ、ムクドリ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
【ダムカード配布情報】2021.8.1現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver3.0
○鳴子ダム管理所 8:30〜17:00(土・日・祝日を含む)(但し、年末年始(12/29〜1/3)を除く)
ダムカード画像コレクション
鳴子ダム Ver.1.0 (2007.07)
鳴子ダム Ver.1.1 (2008.06)
鳴子ダム Ver.1.2 (2016.9)
鳴子ダム [土木遺産認定] Ver.2.1 (2016.11)
鳴子ダム [土木遺産認定] Ver.2.0 (2016.11)
鳴子ダム [土木遺産認定] Ver.3.0 (2018.04)
[協力:thorinstonehelm]
鳴子ダム [完成60周年記念カード] (2017.10)
[協力:thorinstonehelm]
鳴子ダム [完成50周年記念カード] ver.1.0 (2008 03)
[協力:thorinstonehelm]
鳴子ダムのバルブ放流 [悠湯カード No.2]
紅葉と鳴子ダム [悠湯カード No.1]
リンク 東北のダム(国土交通省東北地方整備局)
DAM Photographer・・・・行ってきた・・・(その2)
DAM Photographer・東北は晴れ♪(その1)
DamJapan・鳴子ダム
Dam's room・鳴子ダム
damsite・ダムデータ
Damstyle・鳴子ダム
kazu_ma’s WALKING-DIARY・鳴子ダム
kazu_ma’s WALKING-DIARY・鳴子ダム
THE SIDE WAY・鳴子ダム
ウィキペディア・鳴子ダム
おぼえがき・鳴子(なるこ)ダム
ダムマニア・鳴子ダム
ダム好きさん【鳴子ダム】
水力ドットコム・鳴子発電所
雀の社会科見学帖・鳴子ダム
日本の川と災害・石碑の語る治水・利水・災害の歴史
日本の川と災害・鳴子ダム
日本全国ダム紀行・鳴子ダム
鳴子ダム(国土交通省東北地方整備局鳴子ダム管理所)
関連書籍 ■建設省鳴子ダム工事事務所 『鳴子ダム (写真集)』 建設省鳴子ダム工事事務所 1958
■建設省鳴子ダム工事事務所 『鳴子ダム工事誌』 建設省鳴子ダム工事事務所 1959
諸元等データの変遷 【06最終→07当初】左岸所在地[玉造郡鳴子町字岩淵→大崎市鳴子温泉字岩淵] 河川名[江合川→轟川]
【07当初→07最終】河川名[轟川→江合川]
【08最終→09当初】堤高[94.5→94]
【09当初→09最終】堤高[94→94.5]
【12最終→13当初】目的[FNP→FAP]

■ このごろ → このごろ目次
鳴子ダムに行ってきました。
鳴子ダムを下から見上げてみよう!編

 
10月23日、みやぎ大崎観光公社主催の“鳴子ダムを下から見上げてみよう”というツアーに参加してきました。

このツアーは、鳴子ダムが選奨土木遺産に認定された記念とインフラツーリズムの社会実証を兼ねて、今回は22日、23日の2日間だけ開催、とのこと。

まずは日本こけし館集合、受付を済ませてシャトルバスに乗り込みました。狭い道路を通る為にマイクロバスにしたとの事でしたが、ほぼ満席状態。私が参加した回も20名くらいの参加人数でした。(今回は2日間で160名ほどの参加だったそうです)


国道108号花渕山バイパスから林道に入り、更に管理用道路へと進んで行くと・・・
右側に石コロだらけの川が見えてきました、放流していないから見ることができる景色です!

シャトルバスは江合川出会というところまで。ここからは徒歩で進んでいきますが、ノルディック体験をしながらの人達も。歩き始めたら・・・


曇天だったのが急に晴れてきて渓谷が明るくなり、紅葉が始まった山の斜面がおひさまに照らされてとてもキレイでした。

そんな風景やダム工事の遺構群を見ながら歩くこと約10分・・・


木々の間からやっと堤体が見えてきて感動☆


少し歩くと今度は、副ダムとトンネル式余水吐が見えてきてまたまた感動☆☆。
トンネル式余水吐の断面はきれいな円形でした!
地山にトンネルを掘って余水吐を造るなんて、よく考えたものです!

堤体直下、デフレクタ手前では職員さんから概要説明があり、そのあとは時間の許す限りの撮影タイム。


完成翌年の渇水の際、早速役に立ったそうです。

大きすぎて写真に入りきらない!


毎度お馴染み、ハウエルバンガーバルブ。

インクライン室の壁にも貴重な資料が貼り出されていました。


これって贅沢? アーチダム貸切状態!。

直下からダムを見上げると・・・約100M上空の天端から手を振っている人達が見えます。思わず手を振り返してしまいました。


下から見上げると・・・

上からはこのように見える(次の回を撮影)

鳴子ダムは近場という事もあり・・・
子供の頃から幾度となく立ち寄っては、天端から下流を眺めていました。下から堤体を見上げるなんて夢のまた夢、それが今回叶ったのです。
改めてアーチダムの美しさ、迫力、頼もしさを認識。60年近く暮らしを支えてくれている“鳴子ダム様”に感謝しながら、じっくり見学してきました。

その後、アンケートに答えてVer1.2になったダムカードを頂いたところでタイムアップ。
景色を楽しみながら(復習しながら?)来た道をシャトルバス乗場まで戻りました。


今回のツアーはインフラツーリズムの社会実証ということもあり、今後「旅行商品」として展開するには様々な課題があるようですが、土木遺産認定というタイミングや温泉等とも併せて、観光資源としての今後の有効活用に期待したいところです。

ダムを見た後は、ダムカレー!ということになると思いますが・・
川渡の“キッチン菜の花”で鳴子ダムカレーを食べる事ができます。
もし食べ損ねた時は、“楓林”で塩ラーメン&餃子でしょうかね!
(公開後付記: 取材時にはわかりませんでしたが、一時工事休業で2017年4月末リニューアルオープンだそうです、すみません。)


ダムカレー

塩ラーメン&餃子

そして〆は、やっぱり温泉!
鳴子温泉は、日本で11種類ある泉質のうち9種類が揃っているだけあって、ドコもイイお湯なのですが、個人的には“国民宿舎たきしま”の『薬湯(くすりゆ)』がオススメ!かな。
外見で判断してはいけません。厳寒期こそ、その凄さ(恐ろしさ?)が解っていただけると思いますよ!

(2016.11.29、ダムマイスター 03-045 ダムぅ〜女)


■ テーマページ → テーマページ目次

洪水吐き拾弐景
《第八景》 鳴子ダム
〜薄肉アーチダム堤体下流面に沿って流下させる洪水吐き〜

解説:箱石 憲昭
写真提供:鳴子ダム管理所

日本人のみの手による我が国初のアーチダムとして、昭和32年に完成した鳴子ダム。
当時建設省が初めてアーチダムを設計するにあたり、「堤頂から放流水を自由落下させることは、堤体下流の洗掘や震動の問題が未解決」、「堤体に大きな孔や切り欠きを設けるのは、その応力解析をあいまいにするので避けたい」と考え、堤体下流面に沿って流下させる自由越流形式の洪水吐きと、地山に設置するトンネル式洪水吐きの、二本立てで洪水処理を行うこととしたのである。

堤体下流面を流れ下った高速の水脈はアーチ中心点に集中するため、エプロンにデフレクタを設置し、大流量時には河道に沿うように流向を変えて飛散させ、ダムから離れた地点に着水させるようにしている。
左岸地山に設けられたトンネル式洪水吐きは、地形地質の条件から平面的に湾曲しながら流れ下ったのちに水平となる複雑な線形となった。
これらの形状の決定にあたっては、デフレクタの形状と水脈の飛散状況、トンネル湾曲部におけるらせん流防止対策等について、数多くの試行錯誤的な水理模型実験が土木研究所で行われている。

日本人のみで初めてアーチダムを造るという挑戦の中で採用された珍しい形式の洪水吐きを持つ鳴子ダムは、融雪期には「すだれ放流」と呼ばれる美しい越流状況を見せ、訪れた人々を喜ばせている。


(これは、「月刊ダム日本」からの転載です。)
(2016年6月作成)


→ ダム便覧の説明
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