2016年11月19日の特別見学会、午後の部に参加する事ができました。 集合時間になり、受付後は行路などの説明でワクワク。続いて、安全確認講習を受けてから潜入開始!気を引き締めて歩いていきます。
途中、監査廊内では真っ暗闇を体験!ということで数秒間だけ照明を消すサービス? ホントに真っ暗で声だけが反響する「非日常な空間」です、少し怖いかも。 次はブラックライトのあるところを通ります、ここはキレイな感じで怖くないです。 ゲート操作室の入口、ここを右側に曲がるように進むと急に外光で明るくなります。
ゲート操作室に入りました。案内のお姉さんの説明によれば・・・、
「これから機側操作盤でオリフィス副ゲートを閉じる」との事です。 説明の後、職員の方が実際に目の前の操作盤で閉扉操作。「3・2・1・操作」の号令と共に、スイッチが入れられるとウインチが動き出し、ゆっくりとワイヤーを繰り出して行くのと併せて、開度計の針がクルクル回って少しづつ副ゲートが閉じて行くのが解かります。
ここで全閉を見届けてから下の階に移動します。 オリフィス主ゲートを動かす大きな油圧シリンダーを横目に向かったところは「クレストラジアルゲート」。そう、これからクレストゲート扉体上を歩きます。雨模様なので足元注意!安全講習で話があった「3点支持」を守り、ゆっくり進みます。
次に向かった所はオリフィス主ゲート。先程、この先にあるオリフィス副ゲートを閉めたばかりですが、準備ができたところで「これから擬似放流を行います」との事。 オリフィス主ゲートと副ゲートのスキマに溜まっている水を流す訳ですね! 油圧装置の動作音が響き渡り、ゆっくりとオリフィスラジアルゲートが上がっていくと、勢いよく水が流れ出てきました。
水が流れる音で、見学の皆さんの歓声もかき消されるほどです。擬似放流も終盤にさしかかった頃、落ち葉が増えてきた?と思ったら「カボチャ」も流れていった!
上流で、野生のサルがいたずらして落としたのかな?と案内のお姉さん。 確かに、この辺りではサルの集団を見かけますからね。 擬似放流も終わりオリフィスラジアルゲートを閉める時、急に職員の方が降下を開始。 流木があり、このまま閉めると噛んでしまうので取り除きに行ったとの事。
改めて、自然を相手にするダム管理の大変さをチョットだけ垣間見た気がします。
ここから一旦、天端に出るのですが・・・ 今回はクレストゲートの機械室から外部に繋がる管理階段を経由して天端に昇ってきました。 この空中階段の下はといいますと、先程歩いてきたクレストゲートからの水が流れていく“大きな滑り台”です。ひゃっほーっ!、スリル満点!!
次行きます、そのまま歩いて今回初公開の取水ゲートへと向かいます。 後ろを振り返れば、たった今見てきたゲート群。擬似放流の為に閉めたオリフィス副ゲートは開扉操作中、ゆっくり上がっていくのが分かります。
そして・・・今回の目玉!?取水設備です、ちょうど良いタイミングで噴水も上がっています。 この時期、「多段式ローラーゲート」の定期メンテナンス中で、5段ある扉体全てを引き上げるタイミングにあわせて今回の特別見学会となったそうです。 この下には、取水ゲート、緊急放流用ゲート、制水ゲートがあり、導水管へと繋がっています。
これらのゲートを操作するための何台ものウインチ群がドンと鎮座、開いたカバーの中のギヤがまた大きい!。 太いワイヤーが巻いてあるドラムの脇を通り、階段で下に降りて行きます。ここは足元が濡れているだけでなく強い風も当るところなので、「3点支持」の励行です。
引き上げている扉体があるトコロまで降りてきました、幅5m、長さは1段目は約5m、以降5段目までは約10mあるそうです。これを貯水位の変化に合わせて、通常は水面下2.5mの位置から取水できるように自動制御しているそうです。
ということで、1年中ほとんど水没しているこの扉体。特に最下段は湖底の泥の中? かなり汚れが付いているそうで、高圧洗浄で流してからのメンテナンス作業となるそうですが、ニオイも凄いそうです。今回は洗浄作業から日数をおいたので、かなり軽減されているらしいのですが、確かに最下部まで降りていくと・・・ なんとなく、海の岩場に張り付いた貝殻のような匂いが。
地上まで昇ってきて、最後は建屋の周辺を回している通路の“空中散歩”です。 ダム湖の上空を歩いていく格好になるのですが、チョットだけ船庫の中を見ることができました。
今回の見学会でも、これまで一般の人には見せたことのないところ、歩いたことのないところへも案内していただき、貴重な体験、勉強になりました。 今回、初めて取水設備を公開したとの事ですが、安全な経路の設定や強度の確認など、公開実現までには、いろいろ大変なこともあったと思います。 七ヶ宿ダム管理所のみなさん、本当にありがとうございました。
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