本サイトのトップ写真に「三保ダム」の写真が掲載された。その写真のコメントから「三保ダム」のことを調べていたら、ある記事に「三保ダムは複合ダムではない」という記述があり、その「複合ダム」について調べていたら「矢木沢ダムはコンバインダムである。」と紹介している複数のサイトがあった。 矢木沢ダムがコンバインダムであるという根拠は、堤体はアーチ式ダムあるがダム右岸に設置してある脇ダムがロックフィルタイプのダムなので、矢木沢ダムはコンバインダムということだそうだ。
以上の2つの資料の引用は「独立行政法人水資源機構沼田総合管理所 矢木沢ダム」 前掲上段の航空写真では、たしかにダム本体と脇ダムとは一体のもののように見えるが、下段の断面図ではダム本体と脇ダムは、間に地山(尾根)が存在していてダム本体と脇ダムは一体の構造物ではなく、2つのダムは分離しているのがわかる。
私はコンバインダムというのは違う形式の構造のダムを連結して、同じ河床に建設するダムのことであると考えてきた。 遠い昔、沖縄の北部ダム事務所(現在の北部ダム統合管理事務所)で漢那ダムの実施計画調査を担当していた頃、辺野喜ダム担当の係長が「辺野喜はコンバインダム。コンバインというのは結合するという意味だ。」と話したことを聞いたのが「コンバインダム」という言葉を聞いた最初である。 それ以降、堤体部分を構造が異なる型式のダムで連結し、同一河床に建設したダムがコンバインダムであると思っていた。
沖縄総合事務局北部ダム総合管理事務所「やんばるのダム」より 本体と連結していない、河床の高さがちがっている脇ダムを持っている矢木沢ダムがコンバインダムであると言えるのであるなら、北部ダム総合管理事務所が管理している安波ダム、漢那ダム、大保ダムも本体と連結していない、河床の高さがちがう脇ダムを持っていることからコンバインダムと言ってもいいと思うが、安波ダム、漢那ダム、大保ダムの3ダムが「コンバインダムである。」という情報を聞いたことがない。
(本体右岸側のやせ尾根対策として脇ダム造成)
(左岸の沖縄自動車道と平行に脇ダム造成)
(左岸の微高地に脇ダム造成) 上の写真は沖縄総合事務局北部ダム総合管理事務所「やんばるのダム」より引用
コンバインダムとはどういう型式のダムを言うのか、また現在のコンバインダムの定義とはどのようなものなのか、この歳になってまた1つ悩みが増えた。
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