全項目表
 
ダム番号:612
 
矢木沢ダム [群馬県](やぎさわ)



ダム写真

森に囲まれた矢木沢ダム(撮影:Hisa)
064136 さんちゃん
047947 Dam master
064135 さんちゃん
048134 Dam master
064142 さんちゃん
064143 さんちゃん
047991 Dam master
064112 さんちゃん
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どんなダム
 
壮大なアーチダム
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昭和42年に完成した大アーチダム堤高131m、堤頂長352m。利根川水系を代表するシンボル的ダム。
[写真]工事中
3種混合ダム?
___ 堤頂長352mのアーチダムが主ダムだが、その脇の余水吐洪水吐)がある部分は構造的には重力式コンクリートダムウィングダムと呼ばれている。さらにその脇には脇ダムがあってこれはロックフィルダム。これらを全体としてみれば3種混合で、代表的なダムのタイプを一度に見られる。これはめずらしい。
[写真](撮影:178TS)

スキ−ジャンプ式減勢工
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洪水吐はウイングダム部分に2門のローラーゲートが設置されていて、そこから約500m下流まで水路が続き、ダム下流に流れ込む矢木沢に向かってジャンプ台のような形で放流されるというダイナミックな構造。
[写真](撮影:Dam master)
東京電力初の揚水式発電所
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矢木沢発電所は東京電力初の揚水式発電所。矢木沢ダムが上池で、下池は須田貝ダム。最大出力24万キロワット。
[写真]矢木沢発電所(撮影:Dam master)
湖面に映る山々が美しい
___ ダムの壮大なアーチとともに、奥利根湖の湖面には背後の関越国境の山々が映り、一大パノラマを形成する。豊かな自然の中にあり、ダム湖周囲に道路が少ないこともダム湖景観を美しく見せている。
ダム湖は「奥利根湖」
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昭和42年命名。この地域が奥利根と呼ばれていること、利根川本川の最上流部に位置することによる。自然豊かなダム湖景観は、名の通り奥利根の雰囲気をただよわせる。
[写真](撮影:Dam master)
シリーズ ダム百選 投票から
第 1 回  『 もう1度行きたいダム 』
■ 何も言うことはない。あの壮大さ。ため息が出るほどのラインの美しさは、何度でもみたい。行きづらい場所にあるというものいい。 ( 男)
■ 秘境の様な雰囲気は、本当に最高です!! (31〜40歳 男)

第 5 回  『 放流のカッコいいダム 』
■ 年に一回ある洪水吐きゲートの操作訓練時の写真です。
最大放流量40m3/s 迫力の放流を間近で見られます。 ( )

■ スキージャンプからの放流は圧巻。水が放物線を描いて落ちるのをずぶぬれになりながら間近に見えるのはいい (damjin)

第 23 回  『 近くでキャンプができるダム 』
■ 奥利根の人里離れた最深部に位置する矢木沢ダムは日ごろの喧騒を忘れるのにぴったりだと思います。隣の奈良俣ダムもいいのですが、付近に人家の無い矢木沢ダムの方が真に大自然と向き合えるような気がします。画像は洪水吐で、ここの脇の駐車場がキャンプというか、車中泊にはぴったりです。 (さとぅー)
テーマページ インタビュー  音楽でダムを表現する時代が来た 〜 ダムガール登場 〜
『ダムサイト』主催ダムツアー、参加報告
減勢工って何?
このダムどんな人? ・・・ダムの擬人化イラスト集・・・
ダムインタビュー(81) 堀 和夫さんに聞く 「問題があれば一人でしまいこまずに,記録を共有してお互いに相談し合う社会になってほしい」
平成23 年7月新潟・福島豪雨による 矢木沢・奈良俣・藤原ダムの洪水調節効果
ダムインタビュー(56) 近藤徹さんに聞く 「受け入れる人、反対する人、あらゆる人と話し合うことでダム建設は進められる」
特別インタビュー:庄嶋 與志秀氏 〜 誰も見たことのないダムを撮る 〜
「関越総合水資源開発計画」について
渇水のとき、ダムは?
平成17年度 「森と湖のある風景画コンクール」 受賞作品
ダムの書誌あれこれ(78) 〜利根川最上流・矢木沢ダム〜
ダム放流動画集
「理の塔、技の塔」 〜私説・戦後日本ダム建設の理論と実践〜 (10) 高度経済成長と水資源開発
このごろ ダムをうたう(2) -雪に眠る-
みなかみ町 ダムカレー企画進行中!
ダムカレーのポスターが届いた
これはダムなのか?カレーなのか?
みなかみダムカレーを食べた
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会レポート(前編)
矢木沢ダム・奈良俣ダム冬期見学会レポート(後編)
ダムをうたう(41) -奥利根水源憲章の歌-
矢木沢ダム&奈良俣ダムを訪ねて
(独)水資源機構「寄附金募集」の紹介
矢木沢ダムはコンバインダムなのだろうか
左岸所在 群馬県利根郡みなかみ町藤原字矢木沢  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯36度54分41秒,東経139度03分23秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  奈良俣(元)(4km)  須田貝(5km)

河川 利根川水系利根川
目的/型式 FNAWP/アーチ
堤高/堤頂長/堤体積 131m/352m/571千m3
流域面積/湛水面積 167.4km2 ( 全て直接流域 ) /570ha
総貯水容量/有効貯水容量 204300千m3/175800千m3
ダム事業者 関東地建→水公団一工
本体施工者 熊谷組
着手/竣工 1959/1967
ダム湖名 奥利根湖 (おくとねこ)
ランダム情報 【ダム湖百選】(財)ダム水源池環境整備センターのダム湖百選に選定される(H17.3.16公表)
【ダムにいる鳥】国土交通省「河川水辺の国勢調査」(2004)
カワウ、ダイサギ、アオサギ、オシドリ、マガモ、カルガモ、ホシハジロ、カワアイサ、ミサゴ、トビ、オオタカ、ノスリ、クマタカ、イヌワシ、キジ、ヤマドリ、イソシギ、キジバト、アオバト、カッコウ、ツツドリ、ホトトギス、コノハズク、ヨタカ、ハリオアマツバメ、アマツバメ、ヤマセミ、アカショウビン、カワセミ、ブッポウソウ、アオゲラ、アカゲラ、オオアカゲラ、コゲラ、イワツバメ、キセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、サンショウクイ、ヒヨドリ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、カヤクグリ、コマドリ、コルリ、ルリビタキ、ジョウビタキ、トラツグミ、クロツグミ、アカハラ、ツグミ、ヤブサメ、ウグイス、メボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キクイタダキ、キビタキ、オオルリ、エゾビタキ、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、ゴジュウカラ、キバシリ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、アオジ、クロジ、ハギマシコ、イスカ、ベニマシコ、ニュウナイスズメ、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス、サンコウチョウ
【ダムカード配布情報】2021.8.1現在 (国交省資料を基本とし作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver1.0
○矢木沢ダム管理所 8:30〜17:00(土、日、祝日も配布)※冬期(11月下旬〜4月下旬予定)は、積雪のため閉鎖しており、ダムカ-ドは配布しておりません。詳細は、沼田総合管理所ホ-ムペ-ジをご確認下さい。
ダムカード画像コレクション
矢木沢ダム [矢木沢ダム50周年] Ver.1.0 (2007.07)
矢木沢ダム Ver.1.0 (2007.07)
矢木沢ダム [矢木沢ダム50周年]
リンク DAM Photographer・行ってきましたよ(その1)
DAM Photographer・行ってきましたよ(その2)
DAM Photographer・書くの忘れてた・・・
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DAM Photographer・矢木沢ダムで・・・
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THE SIDE WAY・矢木沢ダム
ウィキペディア・矢木沢ダム
おぼえがき・矢木沢(やぎさわ)ダム
ダム『京』・矢木沢ダム写真集
だむ†ほりっく・矢木沢ダム
ダムカード(水資源機構)・矢木沢ダム
ダムペディア・0612-矢木沢ダム/やぎさわだむ
ダムマニア・矢木沢ダム
ダム好きさん【矢木沢ダム】
ダム日和・夏休み特別版 親と子のダムめぐり
ダム便覧保存館・水がめ便り・矢木沢ダム
ダム浪漫−矢木沢ダム
関東の堰提・群馬県・奥利根のダム
群馬の見所紹介
今日の貯水量(東京都水道局)
沼田総合管理所(水資源機構沼田総合管理所)
水所探検ぐぁ!!
水力ドットコム・矢木沢発電所
雀の社会科見学帖・矢木沢ダム見学 その1
日本全国ダム紀行・矢木沢ダム
参考資料
■【日本のダム】 用水補給;矢木沢ダム・寺山ダム
【ダム日本 No.700(H15.2)】
関連書籍 ■水資源開発公団矢木沢ダム管理所 『矢木沢ダム30問』 水資源開発公団矢木沢ダム管理所 1988
■水資源開発公団沼田総合管理所 『矢木沢ダム目で見る管理30年』 水資源開発公団沼田総合管理所 1998
■水資源開発公団沼田総合管理所 『ダムの四季 (矢木沢ダム、奈良俣ダム写真集)』 水資源開発公団沼田総合管理所 1993
■水資源開発公団矢木沢ダム建設所 『矢木沢ダム工事誌』 水資源開発公団矢木沢ダム建設所 1967
■水資源開発公団矢木沢ダム建設所 『矢木沢ダム図集』 水資源開発公団矢木沢ダム建設所 1967
諸元等データの変遷 【05最終→06当初】左岸所在地[利根郡水上町大字藤原字矢木沢→利根郡みなかみ町藤原字矢木沢]
【06最終→07当初】河川名[利根川→菖蒲川] 堤体積[570→510]
【07当初→07最終】河川名[菖蒲川→利根川]
【11当初→11最終】堤体積[510→570]
【11最終→12当初】堤体積[570→571]

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『ダムサイト』主催ダムツアー、参加報告

 平成16年5月15日(土)、『ダム サイト』の岸利透さんが主催する『ダムツアー』が開催された。ダム関係者ではない個人が主催するダム見学会としては、日本で初めて?ではないかと思われる。ツアーには、(財)日本ダム協会からも参加させていただいた。これは、その参加報告である。
◇ 矢木沢ダム

 矢木沢ダムは、昭和42年に完成。熊谷組施工によるダム堤体積570,965m3、堤高131.00m、堤頂長352.00mの非越流型ドームアーチ式コンクリートダム
 主ダムがアーチで、ウイングダムが重力式で、脇ダムがフィルという1つのダムで3つの型式を楽しめるダムマニアにとっては贅沢なダムである。また余水吐がスキージャンプ式になっているのも特徴の一つである。

 午後2時を過ぎると、少々雲が出てきた。当初の予報では今日は雨が降るはずであったので、ここまでもてば御の字である。身体を以てその大きさを体験した奈良俣ダムを後にし、本日のトリを飾る『矢木沢ダム』へと向かう。途中、須田貝ダムも木の間隠れに望見できた。この周辺は「ダム銀座」と言っても過言ではないかも知れない。

 矢木沢ダムが近づくと、『スキージャンプ』という単語が漏れ聞こえてきた。さすがダムマニアの一行、よくご存じだ。
 奈良俣ダムを出て、30分くらい走っただろうか。バスはほぼ満水位に達している矢木沢ダムへ到着。まずは、資料館でスキージャンプ式洪水吐の試験放水のビデオ鑑賞を行なった。参加者全員「へ〜!」のあらし。所長から「今年も放流するかもしれない。」との思いかげない言葉に、場の空気は一変。「自分のカメラで撮影したい。」と、みんなの野望へと変わった。「次の放流はいつですか?」答え「ホームページで発表するので、各自調べて下さい。」
 マニアもすごいが、管理事務所の方もさすがに手馴れたものである。「ダムの寿命は?」とか「矢木沢ダムの堤内には唯一螺旋階段があるそうだが、本当か?」といった、ちょっと答えに窮するような質問もいくつか出たが、とりあえず質疑応答も無事終了。いよいよ本日最後のダム見学が始まった。エレベーターの定員の都合で二班に分かれて行動。水資源機構管理所職員による現場説明と案内により堤体内の監査廊キャットウォークの体験と相成った。


矢木沢ダム資料館で説明を受ける

下流面にて御本体撮影

 アーチ式で堤体断面が薄い所為か監査廊断面も小さく大勢で移動するには窮屈であったが、皆我先にと思い思いの行動に出る。
 まずはエレベーターに乗って、第1班は下流低標高部へと降り立った。見学者一同カメラを構えて、矢木沢ダム御本尊を撮影。オーバーハングが圧倒的な迫力を持って一同を包み込む。しかしこれらの感覚はダムマニアには別の次元でやってくるものらしい。喩えて言うなら、寺社へでも参拝しているような……。そういった感覚が、実際にアーチ式コンクリートダムの直下に立ってみると理解できる。
 その後、再度、堤体内に入りエレベーターで中段へ。いよいよ憧れの、キャットウォークの体験だ!!
 キャットウォークは高所恐怖症気味の参加者にとっては気持ちの良いものではなかったようだが、くだんの参加者を除き、皆大はしゃぎ。
 あのオーバーハングの手摺から身を乗り出して撮影している者も多かった。中には手摺りに片足を預けポーズをとる猛者もいる。「おい、ちょっと、それはやめておけ」と言おうかとも思ったが、声は喉の奥で凍り付いたままであった。
 考えてみると、山中のダムまたダムを探訪し、狭い監査廊をくぐり抜け、目もくらむようなキャットウォークから遙か下方の地面を望む。これは紛れもなく『探検隊』そのものである。ダム好きは冒険心旺盛な人種なのだ。


キャットウォークにて
 最終目的地『矢木沢ダム』の見学会も無事終了するころには、空は一面鉛色の雲に覆われた。良く一日天気がもったものである。参加者の執念のたまものであろうか。天端で記念撮影の後、案内をして頂いた水資源機構の方々に丁寧にお礼を述べ、一行は帰路についた。
 帰りのバスでは、1日の疲れと充足感からであろう、大抵の参加者が熟睡の様子であった。関越道も都内の道路も渋滞もなく順調に流れ、ほぼ予定通りの午後8時15分、新宿駅西口に到着した。

 今回のダムツアーはダムマニアが大半を占めていて、名古屋などから新幹線を使って新宿に集合した人も数人いたほど熱狂的であった。ダムの魅力とは「人間が造りだした巨大な建造物の迫力」「周りの自然との対比」などであり、そのダムを巡る理由は同じ形のダムがふたつとないことらしい。特に今回の三つのダムは近場に在って全てのダムが違う形式をとっているというのはダムマニアだけでなく誰にでもオススメできるツアーだったのではないかと思う。

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(2004年6月作成)



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平成23 年7月新潟・福島豪雨による
矢木沢・奈良俣・藤原ダムの洪水調節効果

 平成23 年7 月新潟・福島豪雨では、矢木沢ダム上流域で72 時間雨量が631mmとなるなど、矢木沢ダムと奈良俣ダムで管理開始以来、最大となる流入量を記録した。
 洪水期間中に、矢木沢・奈良俣・藤原の3ダムでは、利水容量の空き容量を有効利用したことにより、3ダム合計で最大約9,909 万m3(東京ドーム80 杯分)の水を貯留し、下流の洪水被害の軽減を図った。
 この洪水調節によりダム下流のみなかみ町湯原地点(旧水上町第一保育園付近)では約5.9mの水位を低減させる効果があったものと推測される。

 以下、このような3ダムの洪水調節効果について、国土交通省利根川ダム統合管理事務所と水資源機構沼田総合管理所の記者発表資料(平成23年8月2日)に基づいて、関連データ等を紹介する。なお、数値は速報値であり、今後変わることがあり得る。


■ 各ダムの調節状況

【矢木沢ダム】

矢木沢ダムでは、最大流入量は既往最大を記録し、計画高水流量をも超えた。
  計画高水流量 毎秒900m3
  最大流入量 毎秒1,230m3:29日23:30 観測
この時の放流量は93 m3/s であり、最大流入量時の調節量は1,137 m3/s であった。また、洪水期間中(72 時間)に約6,513 万 m3 の水がダムに貯められた(東京ドーム約52 個分)。


■ 湯原水位観測所付近の水位低減効果

湯原水位観測所に近い旧水上町第一保育園(みなかみ町湯原)付近の、ダムが無い場合の最大流量(推測値)時である7 月30 日5時における水位低減効果量は約5.90mに達した。




 
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(2011年8月作成)


→ ダム便覧の説明
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