《このごろ》
新幹線の旅のお供に、ダムはいかがですか?
〜ひととき 6月号は恵那峡特集〜

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この程、JR東海グループの出版社、株式会社ウェッジが刊行する旅の月刊誌「ひととき」(平成29年5月20日発売の6月号)の巻頭特集ページに、建築家の團紀彦先生をダムにご案内する役回りで誌面に出させて頂きました。
当協会のダムインタビューで、私がダムのエキスパートの方々にお話を伺って、テープ起こしをしたテキストをもとにして原稿を書いているのですが、今回は、團先生と一緒にダム巡りをしつつ、いろいろとお話をさせて頂いた内容をプロのライターの方がまとめて記事にして頂きました。


「ひととき」は東海道・山陽新幹線に搭載されている旅の月刊誌ですが、車内販売のほか一部の東海道・山陽新幹線のキヨスクや書店等で購入することもできます。詳しくは以下からご覧下さい。

ウェッジ公式ページ

今回フォーカスしているのは、大井ダムとそのダム湖にあたる恵那峡、読書(よみかき)発電所です。これらの施設は、大正時代に「日本の電力王」として名を馳せた福澤桃介(ももすけ)ゆかりの歴史的建造物で、読書発電所は1994年に国の重要文化財にも指定されています。
福澤桃介は、頭脳明晰な少年として育ち、慶應義塾に入塾するのですが、学び始めて間もなく塾長の福澤諭吉に目を掛けられて米国留学の機会を得ることになり、後に諭吉の妻の後押しもあって娘婿になっています。

順調な人生を歩んだように見える桃介ですが、義父諭吉が嫌っていた株式投資によって得た莫大な資金を元手に、木曽川の豊富な水量に目を付けそれまで我が国にはなかった水力発電事業という新たなビジネス分野を切り開き木曽川水系に7つのダムを造る等チャレンジングな人生を送りました。この様な人生は読者にとって魅力的に映るのではないでしょうか。


明治から大正にかけて、我が国の電力事業の黎明期は、今のような公共事業的な側面よりもベンチャー的な私企業による激しい開発競争によって発展していったのです。そのため企業家は大きなリスクを背負い、大変な苦労をしつつ電力開発を行いました。実際、大井ダムの建設では、桃介も途中で度重なる台風被害で何度も資材を流され、外債を発行して海外から資金を得ながら事業を続けるという苦難の末にダムと発電所を完成させ、当時電力需要が旺盛だった大阪方面に供給して会社を大きく育てました。そのため木曽川流域の発電所の電力は今でも関西電力の管轄となっているそうです。

取材では、関西電力東海支社の青柳さんをはじめ、土木係長の漁(りょう)さん、大井ダムのラジアルゲートの開閉を担当する渡邊さんには大変お世話になりました。ダム各部の詳しい説明は、今ここで長々と文章にするよりも、誌面を見て迫力ある美しい写真でご覧頂いた方が判り易いと思います。

高級な旅の雑誌ということで、見開きページの写真にはどれも素晴らしいものがあるのですが、プロのカメラマンの方が撮ったダム写真は、大胆かつ美的に撮られており、実際にグラビアページをご覧頂くだけでも価値があると確信しています。

團先生はじめ、プロカメラマン、ライターの方々と一緒にダム巡りができたこと、取材を通して全員がダムを好きになってくれたことがとても嬉しく貴重な経験になりました。
この雑誌を見て、ダムにも足を運んでくれる人が増えるようにと願っています。この機会にぜひご覧頂ければ幸いです。

表紙、記事写真は月刊「ひととき」2017年6月号(2017年5月20日発行)より転用。

[関連ダム] 大井ダム
(H29.5.23、中野朱美)
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