ギリシャに大理石で覆われたダムがある。それは、マラトンダム(marathon)。その写真が手に入ったので、紹介したい。
ダムは、アテネ近郊の、マラソン競争の語源ともなったマラトンにある。ギリシャは降雨量が極端に少なく、水不足に苦しむことも少なくない。マラトンダムは、ギリシャの首都、アテネの水源となっている。この辺りの山々は古来から大理石の宝庫で、古代ギリシャ時代から現代に至るまで大理石を切り出してきているという。
高さ54m、長さ285mの重力式コンクリートダムで、緩やかにアーチ状に弧を描いている。グーグル地図の航空写真で見ても、アーチを描いたダムの姿がくっきりと見て取れる。
大きな地図で見る 1926年10月に建設開始、1929年10月に完成式を行ったというが、1931年に完成したとする資料もあり、正確なところはわからない。貯水池容量は41百万m3。
堤体の下流面は画階段状になっていて、堤体全体が大理石で覆われており、ひときわ美しい。周囲の環境に配慮したのか、観光資源とするためなのか、大理石にした理由はわからないが、豪華に見えることは確かだ。
ダムサイトには貯水池に面して「ダム」という名のコーヒーレストランがあり、食事などができる。そこのメニューがまたおもしろい。しっかりしたカバーの付いたメニューで、表紙に建設当時のダムの写真が載っている。ダムサイトで、ダムを眺めながら、このメニューで食事を注文、ということになるようだ。
ダムをバックにメニューを写す メニューの表紙、建設当時の写真が載っている fragma とはダムの意味、ギリシャ文字では ΦΡΑΓΜΑ と書く メニューはギリシャ語だが、一部英語も
周辺は観光地でもあり、ギリシャに旅行する機会があったら、立ち寄ってみてはいかがだろうか。
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