父母眠る湖底の村に続く道 (前川元巳)
徳山ダムが40数年を経て完成した。この句の作者は水没者のひとりである。 平成20年10月13日朝10時、秋晴れのなか、徳山ダムの竣功式が岐阜県揖斐川町上南方揖斐川アリーナで挙行された。式典には金子一義国土交通大臣をはじめ、ダム建設により長年住み慣れた徳山村の移転者、ダム建設に尽力された関係者が出席し、おごそかに行われた。式典は「ふるさと」の歌で始まり、「ふるさと」の合唱で終わる。
式典終了後、揖斐川町開田のダムサイトへ移動。ダム湖は満々と水を貯め、陽に輝いている。巨大ダム湖の誕生である。12時30分、徳山ダムの完成を見ることなく亡くなられた方々を追悼する献花式が行われ、ダムサイトの献花台は白い菊で埋まった。
徳山ダムは木曽川水系揖斐川の上流に造られ、洪水調節、流水の正常な維持の機能、新規利水(水道用水・工業用水)、発電の4つの目的もつ多目的ダムである。ダムの諸元は堤高161m、堤頂長427.1m、堤体積約1370万m3、総貯水容量6億6千万m3、型式は中央遮水型ロックフィルダムで、堤体積、総貯水容量ともに日本一を誇る。起業者は独立行政法人水資源機構、施工者は熊谷組・大成建設・青木建設共同企業体である。完成した徳山ダムは、「揖斐の防人」、「濃尾の水瓶」としての活用が期待されている。
徳山ダム竣功式
地元中学生によるコーラス(「ふるさと」)
献花式(徳山ダムの完成を見ることなく亡くなられた方々を追悼する)
徳山湖の碑
感謝の碑
望郷広場「本郷地区家並図」
ダム湖を望む
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