《このごろ》
砂防えん堤と貯水ダム

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『砂防えん堤』は砂防を目的とするものでこのダム便覧で取り扱われる貯水ダムとはカテゴリーが別とされています。

しかし、各地でダム見学をし、中間に位置するようなダムをいくつか目にしてきました。
そのうちのいくつかのダムをご紹介したいと思います。



見学ダムその1

広島県尾道市 門田貯水池堰堤
砂防えん堤から水道水源に 改修・転用


1950年(昭和25年)に出来た門田貯水池堰堤です。
砂防ダムとして築堤されていたものを改修し貯水ダムになりました。

堤体の薄さ、水通しがそのまま越流部として残っていることなど
砂防えん堤のデザインが継承されています。


堤頂部を真横から見るとあまりの堤体の薄さにびっくりします。


上流面の勾配も比較的急であるという印象でした。


貯水ダムであれば副ダムに当たる部分も砂防えん堤の形をしています。



見学ダムその2

鳥取県鳥取市 美歎川砂防えん堤
水道水源から砂防えん堤に 改修・転用


1915年(大正4年)に完成した水道水用のダムです。
1978年(昭和53年)まで使用されていました。

その後、運用は停止していましたが1998年(平成10年)に
砂防えん堤として改修が行われました。


元々の美しい堤体の外観を損なわないよう大変丁寧な工事が進められたそうです。


堤頂部を横から見たところです。
中央に水通しが作られています。


元々の貯水ダムとしてのデザインを継承していると感じられるのが堤体の上・下流面の角度です。
砂防えん堤の多くは下流面を鉛直に近くし、上流面に勾配をつけている物が多いので
砂防えん堤として見ると上・下流が逆のような印象です。



見学ダムその3

愛知県瀬戸市 蛇ヶ洞砂防ダム
砂防えん堤で水道水源


1974年(昭和49年)に完成した砂防えん堤です。
しかし管理は瀬戸市都市整備部で、砂防えん堤であるにも関わらず
役割は砂防と水道水源です。


水道用ダムなので立派な取水塔を持っています。


取水塔から堤体を見ると水が満々と湛えられた砂防えん堤
砂防の仕事と水道水源の仕事をきちんとこなしています。


浄水場管理事務所で見せていただいた堤体完成時の写真です。
不透過型砂防えん堤としてスタンダードなデザインで
そこに取水塔が建っているのが不思議です。



あちこちでダムや取水堰堤について話を聞くと
砂防えん堤でありながら不特定用水・河川維持用水を供給している物は多く
灌漑用水を確保しているものもあるそうです。

砂防えん堤と貯水ダムのハイブリッドはまだまだ各地にあると思われます。

ダムめぐりの際には地図で貯水ダムだけでなく砂防ダムもチェックすると
楽しさが倍増するように思います。

(H21.1.27、夜雀)
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 (夜雀)
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