揚水式水力発電に関する基礎的な説明です。作成に当たっては、東京電力株式会社神流川水力発電所 酒井 達史「神流川発電所上野ダムの堤体コンクリートの配合設計と施工実績について」(第56回ダム施工技術研講習会)の資料を使わせて頂きました。
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《仕組み》
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水力発電には、いくつかの方式がありますが、その一つに揚水式水力発電があります。これは、揚水発電、揚水式発電とも呼ばれます。 地下に造られる発電所と、その上部、下部に位置する2つの貯水池(上部調整池・下部調整池)から構成されます。昼間の電力消費のピーク時には上部調整池に貯められた水を下部調整池に落として発電を行い、下部調整池に貯まった水は電力消費の少ない夜間のオフピーク時に上部調整池にくみ揚げられ、昼間の発電に備えます。
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《役割》
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1日の電力消費量は時間帯により大きく変動し、昼間のピーク時には夜間の最も少ない時の約2倍にも達します。電源別の電力供給量を見ると、ベースとなる一般水力、原子力、石炭は、その特性から昼夜を問わずほぼ一定の発電をし、中間の石油、LNGなどは、夜間に比べて昼間に多くの供給をします。消費量の昼夜間格差が大きいために、ピーク時にはさらに大きな供給が必要で、このピーク時の大きな電力消費に応えるのが揚水式水力発電です。 このように、揚水式発電は、電力消費の時間的偏在を平準化し、電源設備全体の効率的な運用を可能にするという重要な役割を担っています。
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(2004年11月作成)
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