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埋蔵文化財の調査と保全(胆沢ダム)

 このページは、国土交通省東北地方整備局胆沢ダム工事事務所の加納茂紀所長の講演「水陸萬頃の地に築く胆沢ダム」を元に作成したものです。講演は、当協会が実施した第52回水源地問題実務講習会(平成17年2月24日)におけるものです。

■大清水上遺跡を発見

 ダム事業用地内には大小様々な遺跡が推定されており、試掘調査等を行いながら事業を進めた。
 平成12年のコア材料採取予定地の発掘調査では、従来確認されていなかった縄文時代の集落遺跡が発見された。これが大清水上遺跡である。


大清水上遺跡の発掘
出土物(イチジク型土製品・燕尾型石製品)

出土物(土器(大木5式))

出土物(土玉、耳栓等の土製品)

■調査委員会は重要な遺跡と評価

 平成14年に、専門家から成る「大清水上遺跡調査委員会」を組織し、調査委員会は調査方法の指導助言、遺跡の評価などを行った。
 調査委員会は、現地調査を行い、3回の委員会審議を経て、平成16年8月に最終評価をとりまとめた。それによると、縄文時代の集落形態の変遷を探る上で重要な遺跡であるとの評価をしている。


大清水上遺跡遺構図

■コア材料採取範囲から除外して遺跡を保全

 遺跡の発掘調査は、記録保存を前提に進められてきたが、重要な遺跡との評価を受けて保存の検討が進められた。遺跡のあった場所は、コア材料採取予定地であったが、コア材料の賦存量と必要量を詳細に検討した結果、除外しても何とか必要量を確保できるという見通しを得て、最終的には集落遺跡の中心部分を採取範囲から除外して保全することになった。


遺跡保存の反響(新聞)
[関連ダム]  胆沢ダム(再)
(2005年3月作成)
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