既設の石淵ダムが水没 |
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石淵ダムの下流約2kmの地点に新たに胆沢ダムを建設。胆沢ダムが完成すると石淵ダムは水没する。
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堤体積国内第3位 |
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堤体積は1350万立法メートル。建設中のダムを含めて日本のダムで堤体積が丹生ダム、徳山ダムに次いで第3位。既設の石淵ダムと比較すると堤体積は31倍、有効貯水容量は11倍、堤高は2.5倍。
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町名に改名 |
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既設の石淵ダムの下流に建設し、石淵ダムを水没させる形となるの再開発であることから新石淵ダムという名称だったが、昭和63年、町名、河川名などにより胆沢ダムに改名。
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CM方式を試行 |
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マネジメント技術活用方式(CM方式、Construction Management)は、1960年代に米国で始まった建設生産・ 管 理システム。我が国でも取り入れる動きがあり、現場での技術的競争性や透明性を向上させ、品質の保持、適切なコスト管理、 たコスト縮減などが期待される。森吉山ダムに続き、試行的に実施。対象となるのは基礎掘削工事と原石山準備工事、それに2004年度着手予定の堤体盛立工事、原石山材料採取工事、洪水吐打設工事の5工事。
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コスト縮減 |
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2002年度に約8億円のコスト縮減を実現。基礎掘削工事で、フィルタ材運搬路を1年前倒し施工したことにより基礎掘削残土の仮置きを不要としたなど。
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転流工にISO14001を導入 |
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ダム本体工事に先立ち建設される転流工にISO14001に沿った環境マネジメントシステム(EMS)を導入。モデル事業としての導入で、直轄事業としては初めて。平成10年12月に「環境方針」を定め、平成11年4月からは「胆沢ダム環境管理委員会」を設置し、EMSの運用を開始。その後も、各種の工事がEMSに基づいて実施されている。
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建設工事に90トンダンプトラック |
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建設工事に90トン積みダンプトラックを使用し、ロック材をこのダンプに積み込む際には12m3バックホウを使用。これらは、国内最大級。90トンダンプは国内ではもう使用先がなさそうだという。
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材料山の位置を変更して自然環境を保全 |
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ロック材の採取地を当初は猿岩(さるいわ)にしていたが、壁面が猿の顔に似ていて国定公園第二種特別地域に指定されていることなどに配慮して、自然環境を積極的に保全する観点から位置を変更、石淵湖北側の地区から取ることにした。
[写真]猿岩(さるいわ)、壁面が猿の顔に似ているといわれる
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コア材料の運搬にベルトコンベヤを使用 |
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コア材は、貯水池下流の慶存地区から採取されるものと堤体基礎掘削ズリをブレンドして使用。コア材運搬には、近辺に温泉保養地等があるため、騒音、振動、粉じん等の影響に配慮し、慶存地区から場内までベルトコンベヤ(延長913m、幅75cm、運搬能力910t/h)で運搬。コア材料の運搬にベルトコンベヤを使用するのは、全国で胆沢ダムが初めてだという。
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伐採木のリサイクルに取り組む |
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ダム建設伴い発生した伐採木を廃棄物とせず、現場内や地域で有効な資源として活用、リサイクルに取り組む。チップ化して緑を復元するための基盤材や舗装材として利用。また、公園や通学路に敷きつめるなど。伐採木から作られた消臭用木炭と木酢液が、胆沢ダム学習館で来館者に無料配布。
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工事中に岩手・宮城内陸地震 |
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建設工事中の2008年6月、岩手宮城内陸地震が発生し、この地域も震度6強の揺れに襲われた。胆沢ダムは、コンクリート造の洪水吐きが一部損傷を受け、堤体本体の盛立部分に亀裂が見つかるなどの被害があったが、その後の対応によって工期が大幅に遅れるなど事態にはならなかったようである。
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高校生が環境巡視隊を組織 |
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岩手県立胆沢高校では、平成7年から生徒が「胆沢ダム環境巡視隊」を組織し活動を続けている。水質調査などを通して胆沢川の環境を的確に把握、活動の結果については定期的に開催する胆沢ダム工事事務所との意見交換会で報告。文化祭や生活誌でも活動の状況・結果を公表。
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縄文時代前期の大集落の遺跡 |
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ダム建設予定地周辺には、旧石器時代の遺跡をはじめとして、縄文時代を中心にたくさんの遺跡が存在。大清水上遺跡はダムの堤体材料のコア材を採取する工事のため、発掘調査を実施。ここから、縄文時代前期の大集落跡を発見。集落全体で60棟に及ぶ竪穴住居。貴重な資料に。
[写真]大清水上遺跡の発掘調査
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ユニークな「胆沢ダム学習館」 |
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平成13年4月に「胆沢ダム学習館」がオープン。地区の歴史・文化を学んだり、勉強会や企画展などの利用できる。活用方法などは小中学校の先生をメンバーとした懇談会が助言。小中学校の総合学習の一環としての利用が増えている。館長業務は、教職員OBで作るNPO法人のメンバーが日替わりで努めることも。
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胆沢ダムゾウ君 |
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シンボルキャラクターは「胆沢ダムゾウ君」。小中学生に公募して決定。胆沢川の下流で約105万年前のアケボノ象の足跡化石が発見されたことに因む。ぬいぐるみが地域でイベントなどに活用されている。建設中には、コンビニの名前にまで採用され、コンビニ「だむゾウ」ができたが、2009年11月30日で閉店となったのは残念。
[写真]「胆沢ダムゾウ君」とコンビニ「だむゾウ」
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ダム湖は「奥州湖」 |
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一般公募により680件の応募があった。その中から「知名度がある」「親しみやすい」として「奥州湖」に決まり、2012年9月27日に国交省胆沢ダム工事事務所から発表された。
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