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隅田川の水質浄化に大きく役立っている、利根川・荒川の水。

 隅田川の流れは、主に「工場や家庭からの排水」、「海水」そして「利根川・荒川からきた流れ」によって構成されています。ところで、なぜ隅田川の流れが利根川のような遠くの川の流れと関係があるのかご存じですか? 実は、「利根川」と「荒川」と「隅田川」は人工的な水路によって結ばれているのです。そして、水路か運んできた水の一部が、隅田川の水質改善に欠かせない役割を果たしているのです。

 この水の流れは、隅田川をきれいにするという浄化用水としての役割のほかに、東京都民や埼玉県民へ都市用水や農業用水を供給するという重要な役割も担っています。今日も、秋ケ瀬取水堰などから取水された水は、浄水場等をへて水道水となり約700万人の暮らしを支えているのです。

 隅田川周辺の下水道整備も水の浄化に貢献しました。整備率も昭和30年代は10パーセント以下でしたが、現在はおおむね100パーセントとなっています。昔は各家庭からの雑排水が直接川に流れ込んでいましたが、一旦下水処理か施され、ある程度きれいになった水を川に排水するようになったため、浄化が一段と進んだのです。また、工場排水の規制も強化されました。こうした各方面からの取り組みによって、隅田川は、うがいができた往時とはいかないまでも、大きく水質改善か図られたのです。

 隅田川は、潮の満ち引きの影響を受ける河川です。満潮の時は大量の海水かのぼってくるのです。そのため、もし海の水か汚いと隅田川も汚くなってしまいます。今後、隅田川をさらにきれいにするためには、東京湾をきれいにすることも重要です。かつてのように泳ぐことができ、白魚かいるような美しい隅田川になれば、レガッタもますます盛んになるに違いありません。

まず、利根川、剽||の上流につくられたダムで水を貯めます。そして利根川では、
@利根大堰で水を一部せきとめて、A武蔵水路を通して荒川に水をいれますB。また、荒川ではC秋ヶ瀬取水堰で水を一部せき止めて、朝霞水路(これは地下トンネルです)を通して、新河岸川に水を入れますD。この水を「浄化用水」と呼んでいます。このような経路をたどって新河岸川に導入されている水の量は、最大毎秒23.4立方メートルですが、この水の勢いはなんと25mプールを約4秒で満杯にしてしまうほどです。その後、新河岸川はもう一度赤羽付近で荒川と接し、それから下流は「隅田川」と名前をかえます。そして、洪水が発生し荒川が増水するような場合は、E新岩淵水門が閉まり、洪水流が隅田川に流入しないようにくい止めることによって、東京を洪水から守っているのです。




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