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◇「七つ森」の石碑

 宮床ダムの天端に、「七つ森」の石碑がある。上部には陶板があって、一人の男と「七つ森」の文字が。そして、その下には碑文。


 やや長いが、碑文を見てみよう。

 遠い昔、アサイナサブローという男がいてこの地に、川と沼と山を作った。
先祖は、このように言い伝えてきました。

 のちに、川は吉田川と呼ばれ、沼は干拓されて品井沼となりました。七つの山は吉田川流域の七つの町村(大和町・大衡村・富谷町・大郷町・鹿島台町・松島町・鳴瀬町)を見守る七つ森となりました。

 川と沼と山の創造は、農耕の発生を示唆する偉大な事業のはじまりでした。そして、この土地の人たちはサブローの事業を受けついで、長い年月、水との戦いをつづけてきました。豊かで平和な暮らしを子孫に手渡すための仕事なのでした。元禄潜穴、明治潜穴、高城川の開削、幡谷のサイホン、背割堤などに、水との戦いの跡を見ることができます。

 宮床ダムも、サブローの事業を受けつぐ人びとの手によってつくられたのであります。湖底には先祖の魂が宿っています。
 ここを渡りながら、耳を傾けてください。遠い昔のサブローと、サブローの事業を受けついだ人びとが、あなたに呼びかけています。
 「先祖から受けついだもの、それを未来に生かしていくのは、あなたなのですよ」
                                小野 和子


七つ森

仙台市街からも見える
 どうも、陶板の男がアサイナサブローのようだ。しかし、この碑文はいったい何を物語っているのだろうか。アサイナサブローとは誰なのか、サブローの事業を受け継ぐとはどういうことなのか、そんな疑問がわいてきた。それで、かつて宮床ダム作業所で副所長としてダム建設に携わった北川正男さんに聞いてみました。


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