ダム事典[用語・解説](ページ:16)

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テレメータ (てれめーた)
 遠方から電気信号として送られてきた測定値を解読し、記録などをする装置。ダムの場合、主に雨量計や水位計の測定データを無線回線などを利用して管理事務所に送信する装置です。

テンターゲート (てんたーげーと)
ゲート

天端 (てんば)
 ダム堤体の一番上部のことで、たいていは道路や歩道となっています。国道が通っているような例もあります。



黒部ダム(撮影:灰エース)


温井ダム(撮影:さんちゃん)


浦山ダム(撮影:Dam master)


宮ヶ瀬ダム(撮影:Dam master)



徳山ダム(撮影:さんちゃん)


高瀬ダム(撮影:だい)


奈良俣ダム(撮影:Dam master)


中里ダム(撮影:Dam master)


天端高欄 (てんばこうらん)
 天端の左右端にある歩行者の安全性などのために設けられた手すり。

天端側水路 (てんばそくすいろ)
側水路式流入部

転流 (てんりゅう)
転流工

転流工 (てんりゅうこう)
 ダムの施工が乾いた状態で行えるよう、河川の流路を変更して流水を導くための上流仮締切仮排水路、下流仮締切などの仮設構造物。ダム本体の施工中に必要で、本体施工に先立って建設されます。
 転流工によって河川の流れを変えることを転流といいます。

頭首工 (とうしゅこう)
 河川、湖沼などから農業用水を取水する際に使われる取水堰。取水堰の他に取水口やこれらの付帯施設を含んでこう呼びます。農業土木関係の用語です。

透水係数 (とうすいけいすう)
 土などの物質が水を通す性質を透水性といい、透水性の度合いを示す係数です。値が大きいほど土などの中を水が流れやすいことを示します。

導水トンネル (どうすいとんねる)
 隣接するダム湖とダム湖をつなぎ、その間で水を流すためのトンネルです。その水系の利水効率をよくする目的で建設されます。
 ダム湖から発電所までの距離が遠い場合、ダム湖の水を発電所まで導く目的でトンネルが建設されますが、このトンネルのことを導水トンネルと呼ぶこともあります。

導流部 (どうりゅうぶ)
 ダムの洪水吐の一部で、ダムから流れ出た水を下流の減勢工へと導く部分。重力式コンクリートダムにある堤体流下式や、主にフィルダムにある別に水路を設けたシュート式、転流トンネルを利用したトンネル式などの種類があります。

導流壁 (どうりゅうへき)
 水路の側壁。ダムの場合、洪水吐導流部減勢工にある導流壁は、大規模なコンクリート構造物になります。
 コンクリートダム非常用洪水吐には越流幅が堤頂長全面にわたるものと堤頂長の1/3〜1/2程度と短いものとがあります。堤頂長全面に渡って越流する方式ではダム下流面全面を水が流れますのでダムのつま先部(堤趾部)に導流壁を設けます。これを堤趾導流壁といいます。越流幅が短い方式では中央部の水路のみ導流壁を設けます。これを堤体導流壁といいます。

特定多目的ダム (とくていたもくてきだむ)
 昭和32年に制定された特定多目的ダム法に基づいて建設大臣(現国土交通大臣)が建設した多目的ダム。それ以前の直轄河川総合開発事業による多目的ダムの建設では、河川工事の費用は河川法に基づき河川事業費として国が支出し、それ以外の発電・上工水などの費用はそれぞれの事業主から委託を受けて工事を実施するという共同事業形式をとっていました。この法律により、直轄多目的ダムについては、建設大臣(現国土交通大臣)が建設・維持管理を行い、発電・上工水などの事業参加者は、その費用の一部を負担するとともに、ダム使用権を得る形となりました。

土砂バイパストンネル (どしゃばいぱすとんねる)
 洪水時に貯水池へ流入する土砂や濁水を、貯水池上流から取り込み、トンネルで貯水池を迂回してダム下流に放流するためのトンネル施設全体をいいます。これにより貯水池への流入土砂の堆積や貯水池内の濁水発生を防止することができ、また河川が本来持っている適正な土砂の移動を再現することができます。堆砂対策などのため建設されます。(→日本のダム:堆砂・排砂


旭ダム


土地収用 (とちしゅうよう)
 道路や河川などの公共事業のために土地が必要になった場合、一般的にはその事業の施行者が土地所有者等と話し合い、合意の下で契約を結んで土地に関する権利を取得します。このような方法を任意買収と呼ぶことがあります。話し合いで合意に達することができないとか権利について関係者間で争いがあるといったときのように、任意買収ができない場合について、土地収用法の定める手続きに従って、事業の施行者が土地に関する権利を取得することを土地収用、あるいは単に収用といいます。
 土地収用の制度は、諸外国にもある一般的な制度ですが、日本では、憲法の規定を受けて、土地収用法により詳細な内容が定められています。憲法第29条は、私有財産権を保障する一方で、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」と規定しています。この規定を受けて、土地収用法では、公共の福祉と私有財産の調整を図るため、土地等の収用又は使用に関する要件・手続き・効果、損失補償等について具体的に定めています。主な手続きとしては、事業認定と収用裁決があります。

■事業認定
 土地収用の対象事業は、土地収用法に道路、河川などの公共施設が個々に細かく定められていますが、具体の事業について土地収用を行おうとする場合は、起業者(事業の施行者のこと)は国土交通大臣又は都道府県知事から事業認定を受ける必要があります。これは、事業が土地収用の対象とするに足る公益性、妥当性等を備えているかを審査し、認定するものです。これにより、土地を収用する権限が起業者に与えられます。
 なお、都市計画事業の認可又は承認を受けた事業については、事業認定を受けなくても裁決申請を行うことができます。 

■収用裁決
 事業認定後、起業者は都道府県の収用委員会に対し個々の土地について裁決申請を行うと、収用委員会は審理等の手続を経て、裁決で補償金額等を決定します。この裁決に基づき、起業者は土地を取得することができるようになります。

トラクタ (とらくた)
 自走するクローラ式又はホイル式(車輪式)の機械で、押す力又は引く力によって、取り付けられた作業装置を使って仕事をします。ブルドーザトラクタショベルローダとも呼ばれる)などはトラクタの一種です。

トラクタショベル (とらくたしょべる)
 トラクタの前部につけたバケットで土砂をすくい、運搬や積み込みを行う機械。ローダとも呼ばれます。
 トラクタの形式によって、ホイル式(車輪式)とクローラ式に分けられます。ホイル式トラクタショベルは、ホイルローダとも呼ばれ、機動性に富み、よく使われます。(→知識を深める:建設機械コレクション(6)〜積込む

トランジション (とらんじしょん)
 ロックフィルダムで透水ゾーンと遮水ゾーンの間に配置される半透水ゾーン。ゾーン間の材料の性質の急変を避け、応力の伝達の円滑化と変形の影響の緩和を目的にしています。

トランスファーカ (とらんすふぁーか)
 バッチャープラントで造られたダムコンクリートを運搬する機械。バッチャープラントの下でコンクリートを積み込み、バンカー線上をクレーンの吊り込み位置まで運び、そこでコンクリートをクレーンに吊ったままのバケットに放出します。



自動運転システム−大志田ダム


バケットにコンクリートを放出−上津浦ダム


中木庭ダム


灰塚ダム


トレッスルガーター (とれっするがーたー)
 鋼材で橋脚と走行路をくみ上げたもの。ダムの上流側に設置されることが多いです。トレッスルガーターの上にバンカー線を設置してコンクリートを運搬したり、主打設設備のタワークレーンを乗せて左右岸自由に位置を変えられるようにする目的で用いられます。



竹谷ダム


竹谷ダム


竹谷ダム


内水、外水 (ないすい、がいすい)
 豪雨時に堤内地に雨水がたまって氾濫したときに、これを内水氾濫と呼び、氾濫した水のことを内水と呼びます。内水氾濫は、川が増水して水位が上昇するため、堤内地に降った雨が自然に川へ排水できなくなって堤内地の水路があふれ出したり、下水道のマンホールの蓋から下水が噴き出したりする現象です。内水氾濫による被害を内水被害といいます。
 これに対して堤外地を流れる川の水のことを外水と呼び、外水による氾濫を外水氾濫と呼びます。

内水氾濫 (ないすいはんらん)
内水、外水

内水被害 (ないすいひがい)
内水、外水

内部コンクリート (ないぶこんくりーと)
 コンクリートダム堤体内部を構成するコンクリートで、ダムの安定性を確保するために強度と重量が必要とされます。

ナトム (なとむ)
NATM

生コン (なまこん)
レディーミクストコンクリート

波返し (なみがえし)
 波やしずくが堤防の堤内側に入り込むのを防ぐため、堤防の天端に突出して構築する構造物。
 ダムの場合、ダム天端上流側に設けられる曲線状の壁が波返しと呼ばれます。ダムの設計洪水位まで水位が上がったときに風波浪によって水が越流することのないようにする目的で設けられます。

二級河川 (にきゅうかせん)
一級河川・二級河川

2次締切 (にじしめきり)
荒締切

二次破砕 (にじはさい)
クラッシャ

猫 (ねこ)
猫車

猫車 (ねこぐるま)
 土砂やコンクリートなどの小運搬に使う手押し車。猫とも言います。一輪車が一般的のようですが二輪車もあります。

練石積み (ねりいしづみ)
石積み、石張り

練石張り (ねりいしばり)
石積み、石張り

農地防災ダム (のうちぼうさいだむ)
 もっぱら農地、農業用施設の洪水被害を防止するため、河川上流部で築造される農林水産省所管のダムを言います。

法面 (のりめん)
 切土や盛土によって人工的に造られた斜面。河川の人工的に造られた堤防の斜面などです。

法面保護工 (のりめんほごこう)
 法面を雨、風などによる風化、侵食から守るための保護設備です。張り芝、種子吹付などによる植生工やモルタル吹付工、コンクリートの格子を構築するフリーフレーム工、ブロック積み工、張石工などの工法があります。

排砂ゲート (はいしゃげーと)
 貯水池内の堆砂を流下させることにより、ダム下流に排出することを目的として、ダム堤体に設置するゲート。(→日本のダム:堆砂・排砂



一番左に2門の排砂ゲート−宇奈月ダム(撮影:加藤敦)


ハイダム、ローダム (はいだむろーだむ)
 堤高15メートル以上のダムをハイダムと呼び、15m未満のダムをローダムと呼ぶことがあるようです。

バイバック (ばいばっく)
バイブレータ

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